酒気帯び運転でひき逃げしたとして、自動車運転処罰法違反(過失傷害)と道交法違反の罪で起訴された元「モーニング娘。」メンバーでタレント吉沢ひとみ被告(33)が27日、拘留先の東京・原宿署から保釈された。この日、東京地裁が保釈を認める決定を出し、吉沢被告は保釈保証金300万円を納付した。また、警視庁は運転免許を一時停止する仮処分を執行する方針を固めた。

吉沢被告が拘留先の東京・原宿署の外に姿を見せたのは午後5時半ごろ。白い長袖シャツに紺色の膝下丈のタイトスカート姿だった。拘留期間は21日間。髪はセットされて薄く化粧を施していたが、頬が少しこけ、痩せたように見えた。こわばった表情だったが、しっかりとした足取りで、報道陣の前まで歩いた。

7秒間深くお辞儀をした後、すぐに言葉を発することができなかったが、意を決したように口を開いた。「このたびは誠に申し訳ございませんでした。被害者の方に深くおわび申し上げます」。声はか細く、涙目だった。再び深く頭を下げた後、報道陣の質問に答えることなく、迎えの車に乗り込んだ。

集まった報道陣は100人以上。また、ファンも数多く集まった。吉沢被告に対し「頑張ってね!」と叫ぶ女性ファンもいた。

吉沢被告の保釈を受け、警視庁は吉沢被告に運転免許証を提出させ、来月5日まで運転を禁じる仮停止処分を執行する方針を固めた。仮処分手続きは危険な運転で人身事故を起こした場合、警察署長などの判断で可能という。また、吉沢被告は免許取り消しの行政処分も行われるとみられる。

起訴状によると、吉沢被告は東京都中野区で今月6日朝、酒気帯びの状態で乗用車を運転し、赤信号を無視して交差点に進入。男女2人に軽傷を負わせ、走り去ったとしている。法定速度が時速60キロの道路を約26キロオーバーの時速86キロで交差点に進入。呼気検査で、基準値の約4倍に当たるアルコールが検出された。前日26日、東京地検に起訴され、弁護人が同日、東京地裁に保釈を請求していた。

保釈中の吉沢被告は遠出や旅行などの外出の際は、裁判所への届け出が必要になる。また、初公判が行われるまでの行動は制限される。

原宿署を出た吉沢を乗せた車は、いったん都内のホテルに入った。吉沢被告の所属事務所によると、吉沢被告はその後、病院に向かったという。今後は医師の診察を受けるという。