NHKは2月28日、2020年春から放送する連続テレビ小説が窪田正孝(30)が主演する「エール」に決まったと発表した。主人公は高校野球の大会歌「栄冠は君に輝く」などを作曲した福島県出身の古関裕而(こせき・ゆうじ)さんがモデルで、妻との夫婦愛も描かれる。男性を主人公にした朝ドラは14年「マッサン」以来6年ぶり11作目。制作側によると、東日本大震災から10年を前に福島と全国にエールを送るという。
東京・渋谷のNHKで行われた会見に、主演に決まった窪田が出席した。落ち着いた表情で「光栄です。全身全霊で演じたい」とあいさつした。朝ドラ出演は、10年「ゲゲゲの女房」14年「花子とアン」以来3度目だが主役は初めて。演じる古山裕一のモデルとなった古関さんは20歳前後まで福島にいた。その後「栄冠は君に輝く」のほか、阪神タイガースの応援歌「六甲おろし」や巨人軍の歌「闘魂こめて」、東京オリンピック(五輪)の選手入場行進曲「オリンピックマーチ」などを手掛け、多くの人を勇気づけ、元気づけた。窪田は「現場とたくさん話し、楽しい現場にしてみんなで一丸となって全国に福島の皆さんにエールを届けたい」と語った。
NHK土屋勝裕制作統括は「東日本大震災から10年を前に福島と全国にエールを送るため、福島で偉人とされる作曲家を題材にした」と企画意図を説明した。また「作曲家本人の目で戦前から戦後までその時代を見る方がいいと思った」と話し、朝ドラでは珍しい男性主人公の作品となった経緯を明かした。
窪田は、主役と聞いた当初「朝ドラで主役? 僕は女性と思われているのか、と一瞬思った」という。それでも「説明を受け、作品への思いや、福島や全国への応援歌という熱い思いを聞き、それが素直に心の中に入ってきた。自分の中にやる気というか、決意みたいなものがみなぎった感覚があります。いろんな分野の人と話を聞くことを大切にしながら、その空気を福島の皆さん、全国の皆さんに届けたい」と笑顔を見せた。過密スケジュールとなる収録については「ヒロインを演じた女優さんから『大変だよ』と聞いています。『花子とアン』の吉高由里子さんの大変さも目の前で見ています。まず体調管理をしっかりやりたい」。
土屋氏は「主人公は、音楽は天才だが、それ以外はダメな人。ただ、穏やかで優しく時に大胆な設定」といい、窪田について「幅広い役を演じられる人として選んだ。若い女性にも大人気。若い人にも朝ドラを楽しんでほしい」と話した。【中野由喜】
◆窪田正孝(くぼた・まさたか)1988年(昭63)8月6日、神奈川県生まれ。06年フジテレビ系連続ドラマ「チェケラッチョ!! in TOKYO」主演で俳優デビュー。NHK大河ドラマ「平清盛」や同局連続テレビ小説「花子とアン」、日本テレビ系「デスノート」など話題ドラマに出演。映画は「カノジョは嘘を愛しすぎてる」「64-ロクヨン-前編/後編」「東京喰種トーキョーグール」など。175センチ。血液型B。
◆「エール」 「栄冠は君に輝く」「六甲おろし」などの作曲を手掛けた古関裕而さんと、歌手として活躍した妻金子(きんこ)さんをモデルに、音楽とともに生きた主人公と妻の波瀾(はらん)万丈の物語。幼少時代から取りえがないと思われた青年が、音楽と出合い、才能を開花し、海外の作曲コンクールで上位入賞するなどしながら、不遇を乗り越え、ヒット曲を生み、音楽で人の心を癒やし、勇気づけていく姿を描く。



