サザンオールスターズ桑田佳祐(66)が、平和を願って新曲を書き下ろした。ゲストに佐野元春(66)世良公則(66)Char(66)野口五郎(66)を迎え、世界中の子供たちの明るい未来を願うチャリティー・ソング「時代遅れのRock’n’Roll Band」を23日に配信リリースすることが決まった。発案者の桑田が4人を直接説得。“最強の同級生”が結集した。

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日本のオヤジ、立つ!桑田をはじめ40年以上、第一線で活躍している5人が結集するのは、意外にも初。日本音楽界の“同級生”が、昭和~令和の時代を経て、今だからこそ結集し、声を合わせて平和を歌う。

発端は今年の2月下旬だった。メールのやりとりはあったが、なかなか共演する機会がなかった桑田と世良が、久しぶりにプライベートで顔を合わせた。その際の「同級生で協調して、今の時代に向けた発信をできないか?」という会話がきっかけ。そこから異例のスピード感で話が進んだ。桑田は同じ年のボーカリスト兼ギタリストである5人で結集する構想を描き、楽曲を作詞作曲。佐野、Charとは80年代に共演歴があり、野口は桑田がリスペクトしているという関係性で人選した。

そして4月末、4人それぞれに手紙を書いて送り、所属事務所にデモ音源とともに自ら足を運んで説得。「今あえて時代遅れなやり方で、我々の世代が『音楽という名の協調』を楽しむ姿を発信し、その中で『次世代へのエール』や『平和のメッセージ』を届けたい」という思いに、4人とも賛同してくれた。

20年に世界を一変させた新型コロナウイルスや、今なお海の向こうで発生している惨劇。歌詞には、どストレートに平和への思いを詰め込んだ。「この頃『平和』という文字がおぼろげに霞んで見えるんだ 意味さえうつろに響く」「No More No War 悲しみの 黒い雲が地球を覆うけど 力の弱い者が 夢見ることさえ 拒むと言うのか?」。昭和のレジェンドたちが、力強く歌い上げる楽曲は圧巻だ。

製作期間は、手紙を送ってからたったの1カ月。4人それぞれのレコーディングに桑田も立ち会い、今月中旬に完成。今を生きる全ての人たちと、次の世代に向けたエールが込められた、愛と希望のロックンロールソングとなった。収益の一部は、困難に直面している世界中の子供たちの未来といのちを守るため、「セーブ・ザ・チルドレン」に寄付する。コロナ禍、自然災害、いつ何時も先頭に立って鼓舞し続けてきた男が、また立ち上がった。【佐藤勝亮】

○…「時代遅れのRock’n’RollBand」は、楽曲特設サイト内のダウンロードページにアクセスし、23日深夜0時から、主要音楽配信サービスより、順次購入可能となる。

◆桑田佳祐(くわた・けいすけ)1956年(昭31)2月26日、神奈川県茅ケ崎市生まれ。青学大在学中に音楽活動を本格化させ、サザンオールスターズを結成。バンドのリーダーとして、ボーカル、ギターを担当し、作詞、作曲も手掛ける。78年に「勝手にシンドバッド」でメジャーデビュー。87年にはソロ活動も始め精力的な活動を行う。

◆佐野元春(さの・もとはる)1956年(昭31)3月13日、東京都生まれ。80年シングル「アンジェリーナ」でデビュー。代表曲は「ガラスのジェネレーション」「SOMEDAY」など多数。

◆世良公則(せら・まさのり)1955年(昭30)12月14日、広島県生まれ。77年に世良公則&ツイストとしてシングル「あんたのバラード」でデビュー。「宿無し」「燃えろいい女」などヒット曲多数。81年に解散後、ソロ活動開始。

◆Char(チャー)1955年(昭30)6月16日、東京生まれ。8歳でギターをはじめ、76年「Navy Blue」でデビュ。「Smoky」「闘牛士」などをヒット。多くのアーティストに影響を与え、「伝説のギタリスト」と称される。

◆野口五郎(のぐち・ごろう)1956年(昭31)2月23日、岐阜県生まれ。71年に「博多みれん」でデビュー。西城秀樹さん、郷ひろみとともに「新ご三家」と呼ばれ、「私鉄沿線」などヒット曲多数。

楽曲特設サイトはhttps://special.southernallstars.jp/jidaiokure/