上方落語協会(桂三枝会長)の拠点となる「上方落語協会会館」が大阪市北区に完成し、26日午前に竣工(しゅんこう)式が開かれた。三枝と親しい建築家の安藤忠雄氏が無償で設計し、コンクリート打ちっ放しのスタイリッシュな外観の現代建築。

 上方落語の定席「天満天神繁昌亭」に程近く、3階建て。建物正面の壁に「上」の字をイメージしたスリットがあるのが特徴の一つだ。2階の稽古場兼会議室にはガラス張りの大きな天窓から外光が注ぐ。3階は落語関連の書籍などを集めた資料室となっている。

 式典後の会見で三枝は「素晴らしい建物ができた。切磋琢磨(せっさたくま)する勉強の場、皆との憩いの場としたい」とあいさつ。安藤氏は「落語家は、はなしを少しずらすだけで人の心をつかむ。この建物も(外壁や内壁に)少しずつ角度を付けた」と設計の狙いを話した。