富田騎手の「胆大心小」ともいえる騎乗が、14番人気テイエムスパーダを勝利へ導いた。まず、大胆さの部分でいえばスタートだろう。ゲートの出は内枠のヴァトレニ、レジェーロの方が速かったが、激しく手綱をしごいて臆することなく先頭へ。これが一番の勝因といっていい。
最近は逃げられずに惨敗続きだが、行き切ればしぶといのは過去のレースで証明済み。2ハロン目に10秒5のラップを刻んで自分の形に持ち込んだ。前半3ハロンは33秒5。時計より気分良く走れるかどうかが鍵になるが、思い切ってハナをたたいたことでいいリズムが生まれた。
一方、冷静さという点では600~800メートルの走りに注目したい。通常1200メートルでは、ここでいったん息を入れるケースが多くラップは落ちるものだが、今回のテイエムスパーダは逆にコーナーで11秒1→10秒9と上げている。ためて脚を残すよりも、早めに仕掛けて後続の脚を封じる。これがまんまとはまった。
昨年のCBC賞では48キロの軽量を生かして1分5秒8の日本レコードを樹立。前半3ハロン31秒8という驚速ラップで逃げ切ったが、今回は「2段階加速」という大人びたレース運びで快勝。速さだけではない。新たな引き出しを手に入れた。



