20年競輪の総決算となるKEIRINグランプリ(GP、30日・平塚)まであと5日。その前に、年末恒例の中野浩一氏(日刊スポーツ評論家)の激辛コラム「ザ・提言2020」をお届けします。全3回で、コロナ禍で大きな転換期を迎えた競輪界、そして選手に熱いメッセージを送ります。

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今年の競輪界を語る上で、コロナ禍は切っても切り離せない。いわゆる「3密」を避けて開催するため、F1のS級戦でも7車立てにしたが、私はS級は9車だけでいいと思う。7車と9車を混在させる必要はない。逆にA級はずっと7車でいい。選手も混乱しないはずだ。

最近のS級戦は動きが荒い。危険な落車事故が減らないのは、7車も要因だろう。スピードのある選手を止めに行くため、大きく張る癖がついているからだ。

そもそも、7車と9車立てでルールが同じというのも疑問だ。同じ7車のガールズケイリンはルールが違う。A級7車立ては、今以上にヨコの動きを厳しく、タテ重視のルールにすべきだ。これで事故は減る。本来、A級戦はこれからの若い選手の活躍の場だ。7車なら特別昇級もしやすくなる。若く力のある自力選手が、どんどんS級に上がればいい。それが世代交代、新陳代謝につながる。

今年は9車立てのビッグレースでは売り上げが伸びた。既存のファンは「待っていました」と9車立てを買ってくれる。本来力のある選手がそろうS級でこそ、9車の迫力あるレースを提供すべきだろう。