名古屋に復帰した元日本代表DF闘莉王が、復帰初戦となった10日の新潟戦でチームを19試合ぶりの勝利に導いた。239日ぶりの実戦で90分フル出場。「データスタジアム」によれば、ヘッドで相手の攻撃をクリアした回数はチーム最多の4回。身長185センチの高さと跳躍力は健在だった。

 まさに「動かざること山のごとし」。名古屋の闘将が自陣ゴール前に立ちふさがった。コンディションは万全ではなかったのだろうが、時速24キロ以上で走った「スプリント」はわずか2回。GKを除くフル出場選手では最少だった。走行距離もフル出場した試合では自身2番目に短い8・8キロ。運動量は限られていた。それでも、読みの鋭さとポジショニングの良さで相手の攻撃をはね返し続けた。

 そのクリアも実に的確だった。相手にこぼれ球を拾われて2次攻撃を受けてしまうような中途半端なものは皆無。ボールはほぼピッチの外へ。そうしてプレーが途切れた間にチームを鼓舞。ひと呼吸おき守備陣形を立て直した。実際のプレー時間(アクチュアルプレーイングタイム)も今節J1全体で最短の49分47秒。だからこそ、ブランクがありながら最後までピッチに立ち、相手の攻撃をはね返すことができたのかもしれない。

【石川秀和】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「データが語る」)