サッカー日本代表の西野朗監督(63)が、ワールドカップ・ロシア大会の最終登録メンバー23人発表当日の31日に、最終サバイバルマッチとなる異例の練習試合を敢行する可能性が出てきた。14日、事実上の第1次選考、予備登録35人を選出し、国際サッカー連盟(FIFA)に登録。同リスト入りが濃厚なMF香川真司(29=ドルトムント)ら、けがなどで状態に不安を抱える選手は多い。悩みの深い西野監督は壮行試合の30日ガーナ戦(日産ス)の翌日にまさかの“もう一丁”プランを明かした。
ダンディーな西野監督は眉間にしわを寄せても絵になる。ただ、そのしわが深くなりそうな苦悩を抱えている。メンバー選考で悩みに悩む中“もう一丁”。まさかのラストサバイバルマッチをリクエストする。
当初30日のガーナ戦で絞り込み、翌31日にW杯メンバー23人を発表する予定だった。だが、けが人やけが明けで状態がはっきりしない選手が多い。「できれば翌日(試合を)組みたい。やることは有効だと思う」と異例のおかわりを希望した。31日は午前中に練習試合で見極め、午後に日本中が注目するメンバー発表会見の流れ。濃密な1日になる。
大枠35人の絞り込みにさえほぼ1日かけた。FIFAへの登録期限だったこの日、午前10時から都内でのスタッフ会議で人選。昼間の外出を挟み、午後から西野監督1人で長考した。決断し、待ち構える報道陣の前に姿を見せたのは午後9時前。正直な指揮官は最初の選考を「決して、パシッと正確な状況判断で決まった35人ではない」と打ち明けた。
日本協会は35人を公表しない。約3カ月ぶりに実戦復帰したばかりの香川、けがを抱え約1カ月実戦から遠ざかる岡崎、そしてシーズン全日程が終了し、はや2週間経過した本田。いわゆる“ビッグ3”は、それぞれ状態に不安を抱える。指揮官は「現状で判断するのは危険」と結論を先送り。35人には順当に入ったようだ。
その上で本田についての質問に「見極めがキャンプ(代表合宿)しかない選手も多い。チームの中でやって見極める必要がある。キャンプでしか見極められない」とも言った。
35人の中から、30日のガーナ戦に何人呼ぶかも「本当にはっきり分からない」。18日には30人弱を発表するとみられていたが、それどころか合宿の状態を見て「18日に選べなかった選手を追加招集する可能性もある」とまで口にした。35人の序列もまだ不確定。徹底した選手ファーストが西野流。選手の能力と実績を信じ、ギリギリまでベストの23人を見極める。【八反誠】