サッカー日本代表が史上最多5度目の優勝を目指す23年アジア杯カタール大会(24年1月12日~2月10日)まで残り100日を切り、大会組織委もPRに余念がない。
筆者もチケット販売についての記者会見や、組織委幹部の取材のために現地に飛び、帰りの飛行機の中でこの原稿を書いている。
10日から公式サイトで販売開始となったチケットはeチケットで、価格は最も安いもので25カタールリヤル(約1024円)から。大会関係者は上位進出が確実視されている日本のサポーターがカタールに大挙して訪れてくれることに大きな期待を寄せていた。
滞在中、アジア杯で開幕戦と決勝の舞台となるルサイル競技場(22年ワールドカップW杯カタール大会決勝でも使用)と、順当に勝ち上がっていけば日本が準決勝でプレーするアハマド・ビン・アリ競技場がメディアに公開された。
アハマド・ビン・アリ競技場はW杯で日本が0-1でコスタリカに敗れたスタジアムだが、大会後にDF谷口彰悟がカタール1部アルラヤンに移籍し、谷口の本拠地となった。座席にクラブの象徴である大きなライオンの顔が描かれた美しいスタジアムで、アジア杯では「地の利」を生かして谷口が活躍してくれるだろう。
気になっていたのが、W杯で使用されたスタジアム974。ここはW杯本大会で使用されるスタジアムとしては史上初めて大会後に解体されることを前提として建設された。
貨物コンテナが主な建築資材として使われ、それが組み合わされた様子から「レゴブロックでつくられた」とも言われる。使われたコンテナ数は国際電話のカタールの国番号と同じ974個。W杯が開催された8会場のうち、スタジアム974だけがアジア杯では使用されないということで、現在の様子を見に行った。
するとスタジアム974は、そのままの姿でまだ残されていた。関係者は「解体はアジア杯が終わってからになる。アジア杯はW杯のインフラがそのまま使用され、ファンにとっては観戦がしやすく、W杯同様の興奮を感じられるものになる。スタジアム974は使用されないが、すべての総決算が終わってからでないと解体できない」と説明した。
カタールではW杯からアジア杯までが一連の流れとして考えられており、アジア杯が成功するまではスタジアム974も解体されない。そのあたりに、大会組織委のアジア杯へかける真剣さを垣間見ることができた。【千葉修宏】

