鹿島アントラーズDF内田篤人(29)の“操縦術”が光った。3日、茨城・ケーズデンキスタジアム水戸で行われたプレシーズンマッチのJ2水戸ホーリーホック戦で先発出場。MF小笠原から好パスを引き出し、途中出場のDF安西を巧みに使って同点弾も引き出した。試合は4-3で逆転勝ちを収めた。

 公式戦でないにもかかわらず、8905人も集まった水戸戦。走り続けた内田が後半36分に退くと、敵味方関係なく会場中から拍手が送られた。「修正する面がたくさん出た試合」(大岩監督)と劣勢だった中で光ったのが、内田の“操縦術”だった。

 前半36分。右サイドからペナルティーエリア内に走り込んで、小笠原のスルーパスを引き出した。「『裏ではなくGKのところまで斜めに入っていくので見ておいて』と言っていたけど、ああやってボールが出てくるのはスゴイな」。小笠原を操り、攻撃の一手を見せつけた。後半は途中交代で右MFに入った新加入の安西を自在に動かし、同点ボレーに結びつけた。

 練習試合を含めて3試合目で初シュートも放った。今季最長81分間の出場。反省点は残るが「負けるよりはいい。こういう積み重ねで、勝ち癖っていうのはついてくるからね」。その言葉もまた、チームを乗せるように操っているようだった。【今村健人】