第98回全国高校サッカー選手権に出場する近畿勢の話題や注目選手を紹介します。6回目(最終回)は滋賀代表・草津東(3大会連続11度目)のMF遠座(おんざ)隆太(3年)です。故障を乗り越え、最後の舞台で飛躍を誓います。
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草津東のMF遠座が、選手権の舞台に間に合った。予選の滋賀大会準々決勝(11月3日)野洲戦での接触プレーで右手首(橈骨=とうこつ)を骨折。その後は戦線離脱を余儀なくされ、復帰したのは12月15日の練習試合だった。実はまだ骨が完全についておらず、防具をつけてのプレーだった。
「足の骨折じゃなければ大丈夫だろうと思ってたけど、復帰すると相手との接触を自然と避けてしまっていた。自分は足元でプレーするタイプではない。相手に当たれないというのはつらかった」
不安を口にしたが、草津東として遠座の戦列復帰は大きい。右の攻撃的MFを任され、高速クロスが武器。166センチと小柄だがスピードがある。MF鮫島拓巳(2年)も好調を維持しており、牛場哲郎監督(41)は「どちらかを先発で使うことになる」と、いい意味での悩みができた。先発でも途中出場でもチームへの貢献はできる。相手への情報も少なければ、秘密兵器にもなれる。
1年前の選手権もベンチスタートで後半29分からピッチに立った。「気持ちが高ぶりすぎていた」。0-6で青森山田に大敗したが、好クロスを1本放って好機を演出した。ワイドに展開する草津東のサッカーには欠かせないチャンスメーカーだ。
神奈川・茅ケ崎市立松浪中時代、地元ニッパツ三ツ沢球技場で開催された全国高校選手権の草津東-東福岡の対戦を見た。草津東は0-3で敗れたが「選手が自分たちで考えて動き回っていた。固定化されるサッカーはいやだったので、すごく好きになった」という。その後、滋賀県に転居して草津東に進学できたのは、必然の出あいだったのかもしれない。
同級生が「まじめすぎるほどまじめ」と評する性格。走る場面で走らない仲間にいら立つこともあれば、牛場監督には戦術面で質問攻めにすることもある。新チーム立ち上げの際、FW渡辺颯太(3年)から「主将をやってほしい」と言われたが「肩書なしでチームを支えていきたい」と返事し、主将は渡辺になった経緯がある。最後の大会も遠座らしく、まじめに走り抜く覚悟だ。
「小林総監督からは『初戦を勝つことに意味がある』と言われている。まずは初戦に全力を尽くし、勝ち進んでいきたい」。東久留米総合(東京A)との1回戦を突破すれば勢いに乗れそうだ。
卒業後は日体大へ進み、将来は海外でプレーすることが目標だ。同じ神奈川出身のゲンクMF伊東純也(26)のようなクロスを手本に、遠座が草津東を勝利に導く。(おわり)
◆遠座隆太(おんざ・りゅうた)2001年(平13)9月29日、神奈川・茅ケ崎市生まれ。中学時代はクラブチーム「シュートJr」に所属。166センチ、57キロ。



