第100回高校サッカー選手権は、10日に決勝戦が行われ、青森山田(青森)の3度目の優勝で幕を閉じた。節目の大会を終え、200、300回へ歴史は続いていく。日本サッカー協会(JFA)田嶋幸三会長(64)が11日までに、日刊スポーツの単独インタビューに応じ、未来の「選手権」を語った。出場校数、出場方式…。スタイルは変わっていくかもしれない。【取材・構成=栗田尚樹】

   ◇   ◇   ◇

青森山田は強かった。大津(熊本)との決勝の舞台でも4発。シュートを0本に抑え、無双の強さを誇示した。青森県予選では、言わずもがな。準決勝から登場すると、弘前中央に22-0。野辺地西との決勝戦では、先制を許しながらも、結果的に5-1と快勝。25年連続27度目の選手権出場を果たし、3度目の日本一に輝いた。

現在、選手権の舞台に進めるのは東京の2校を含め、全国48校。今後は、その出場校数も変わるかもしれない。

田嶋会長 青森山田は強い。例えば青森からはもう1校出てもいいとか。いろいろ考えてもいいと思う。

強豪校は、プレミアリーグに籍を置き、Jクラブの下部組織としのぎを削る。同WESTには大津、2回戦で涙をのんだ東福岡(福岡)が在籍。同EASTには、このリーグも優勝した青森山田、今回の選手権では初戦敗退となっ流通経大柏(千葉)も名を連ねる。市船橋も同EASTに入っているが、選手権には出場出来なかった。千葉の代表校は1つだから。

田嶋会長 例えば、プレミアリーグに出ているチームはシードをして、直接本大会に出られるようにするとか、やり方はあると思う。

選手権の歴史を振り返れば、変化は付きものだった。田嶋会長自身が浦和南のFWとして優勝した1975年(昭50)度の54回は、関西圏での最後の大会。55回大会からは、首都圏開催となった。「時代とともに大きく変化する」とかみしめる。

田嶋会長は「18歳でサッカー辞める人が多くいる」と日本のサッカーの未来に危機感を覚える。だからこそ切に願う。「選手権を通してサッカーを好きでいて欲しい」と。スタイルを変えながら、時代に合った選手権を伝え続ける。魅力ある歴史を残し続ける。