7年ぶり2度目の優勝を狙う藤枝順心がPK戦の末、5-4で大阪学芸に競り勝った。1点を追う後半終了間際にFW高岡澪(みお、3年)が右足で起死回生の同点弾。PK戦で初戦敗退となった昨夏の悔しさを知るエースの1発で追いつき、PK戦は5人全員が決めて初戦突破を果たした。4強入りを懸けた27日の2回戦は東海大福岡と対戦する。

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気温32度を記録した一戦は薄氷の勝利だった。藤枝順心は後半17分にセットプレーから失点し、1点を追う状況で試合終盤に突入。ロスタイムが表示された直後だった。自陣からのロングボールに高岡が反応。相手GKのクリアミスを拾うと、右足で無人のゴールに流し込んだ。後半35分に1-1。「この試合に懸けていた」と強い気持ちで臨んだエースの1発で追いつくと、PK戦は5人全員が成功。敗色濃厚から一転して、歓喜の瞬間を迎えた。

苦い敗戦の教訓も生きた。昨年はPK戦で初戦敗退。終始攻め込みながらも1点が遠かった。ただ、今年は違った。中村翔監督(34)は「勝つ確率を上げるために後半からカウンター1本に懸けた」。理想のスタイルを捨て、勝負に撤した指揮官の一手が奏功し、速攻から同点弾。試合後は「柔軟に対応してくれた選手たちはよくやってくれた」と手放しでたたえた。

チームは23日に北海道入り。現地で2日間調整して試合に臨んだ。主将のDF大川和流(なる、3年)は「自信しかなかった」。万全を期した初戦で冷や汗をかいたが、今年は苦しみながらも初戦突破。昨年も主力だった高岡は「気持ちで勝てたと思う」と胸を張った。

相手は近畿大会決勝で5度の全国制覇を成し遂げている日ノ本学園(兵庫)を撃破。難敵との初戦がヤマ場だった。2回戦は東海大福岡が相手。高岡は「目の前の相手に集中して、絶対に勝ちたい」と気を引き締め直した。7年ぶりの頂点を目指す順心が、最初の難所を乗り越えた。【神谷亮磨】