日本サッカー協会が、W杯北中米大会の日本代表を率いる森保一監督(57)への続投要請を模索していることが27日、分かった。8年目の今大会は1次リーグを1勝2分けの2位で無敗通過。采配内容、親善試合でブラジルやイングランドに初めて勝利した「史上最強」の4年間の総合的な実績が7月の強化部会、技術委員会で検証され、宮本恒靖会長ら最高幹部が決断する。一方で勇退や協会フロント入りの案も鑑みて、次代の日本人指導者育成を加速。28年ロサンゼルス五輪を目指すU-21(21歳以下)日本代表の大岩剛監督(54)ら複数候補に、展開次第で打診する腹案もある。
森保監督なら、まだ日本は強くなる。協会の評価は高く、大会後に続投要請する検討を始めた。コーチで18年ロシア大会ベスト16を経験した後の7月に就任。22年カタール大会で連続16強に入り、初の2大会連続で指揮を任された北中米は1次リーグを危なげなく突破し、積み上げを示した。
準優勝3度のオランダに2度も追いつく2-2、鬼門の第2戦でチュニジアにアジア最多4得点と日本人監督最多の3勝目。スウェーデン戦も一部主力を温存して引き分け、海外W杯では初めて無敗通過した。3大会連続の決勝トーナメント進出も最長を更新した。
主将の遠藤、エース三笘に、森保ジャパン最多26得点の南野を欠き、大会中も至宝の久保が負傷離脱しながら勝ち上がっている。2期目は選手層を「2チーム分」に厚くするため全89人を招集。超攻撃的3バックで列強と渡り合い、規律と密なコミュニケーションによる求心力で、誰が出ても勝てる一体感を醸成した。
29日(日本時間30日)の決勝トーナメント1回戦ではブラジルに挑戦。新しい景色=8強、最高の景色=優勝を目指す今大会の結果が最重要の判断材料ではあるが、日本協会は第2次の4年間をトータルで評価。カタール大会で優勝経験国のドイツ、スペインを連破した後に親善試合でドイツを4-1で返り討ち。王国ブラジル、発祥地イングランドを初めて破り、欧州勢相手に11戦無敗を続けるチームづくりを認めている。
27年アジア杯など禅譲の節目はあるが、再び4年後の30年スペイン・ポルトガル・モロッコ大会まで3大会連続12年の長期政権が基本線になる。14年ブラジル大会で優勝したドイツのレーブ監督は15年、続く18年ロシア大会を制してカタール大会も準優勝したフランスのデシャン監督も現在14年で、弊害は出ていない。
一方で今大会の最終結果次第であり、代表を統括する強化責任者として協会フロント入りを描く幹部もいる。現場にこだわり、欧州で日本人指導者の道を開きたい森保監督の勇退も可能性があるため、後任人事も想定。2年後のロス五輪を目指すU-21代表の大岩監督に、森保監督が21年東京五輪を兼任で率いて世代交代に成功した例を踏襲させて養成する案も併せ持つ。
大岩氏は24年パリ五輪を24歳以上のオーバーエージ枠なしで戦い、前評判を覆す8強。こちらも日本初のオリンピック年代監督続投で、有望株を知り尽くすだけに、適切に世代交代を進められる。また、W杯カタール大会Vアルゼンチンのスカロニ監督や24年の欧州選手権(EURO)王者スペインのデラフエンテ監督が世代別代表から昇格した例も、トレンドではある。
安定の現体制を維持するため、ヘッド格の名波浩コーチを後継指名する方向性も残す。外国人も排除はせず、元J1横浜監督で日本のことを知り、プレミアリーグのトットナムで25年の欧州リーグを制覇したアンジェ・ポステコグルー氏にも接触した。いずれにしても、W杯決勝翌日の7月21日をメドに強化部会や技術委員会が検証を行い、宮本会長ら最高幹部が協議。まずは続投要請を模索する。


