【ドーハ=上田悠太】日本期待の男子400メートルリレー代表が、4日(日本時間5日未明)に出陣する。金メダルを狙う20年東京五輪、その試金石となる戦いに挑む。桐生祥秀(23=日本生命)は第3走者として、16年リオデジャネイロ五輪銀、17年世界選手権銅、18年アジア大会金メダルに貢献。その桐生が大会開幕を前に語ったインタビューを紹介する。
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最大の目標だった100メートルでの決勝進出は果たせなかった。だが、まだ残された使命がある。男子400メートルリレーだ。
「金メダルを狙う。まだ日本はイギリス、アメリカがバトンをしっかり決めてきたら勝てていない。勝負できるようにしたい」
日本記録はリオ五輪銀メダルの決勝の37秒60だが、ライバルも戦力が整う。「37秒50は切らないと金メダルは遠いかな」。過去を超越する結果を見据える。
リオ以降、メダルの意義を感じた。「メダルは見て分かりやすい。僕はそんなに興味はないけど、周りの人は興味があるじゃないですか」。3年以上、ほぼ1人で100メートル9秒台の期待を背負い続けていたからこその変化もよく分かる。
「リオがあったから今の陸上の盛り上がりがあるとすごく感じる。前は10秒0台で走っても、そこまでニュースで注目されなかった。メダルで短距離も世界で戦えるぞとなってから、周囲の期待、目が変わった」
5月の世界リレー大会では第3走者小池とアンカー桐生の間のバトンミスで失格。小池がバトンの真ん中で持っていたことが引き金になり“神話”が崩れた。
「今はあの1回があってよかったと思うしかない。世界選手権、五輪でミスをしたらしゃれにならない」
原因は明白ゆえに悲観はない。過去に失敗した大会の映像も見返し、基礎練習もより入念に。いい意味で“楽観視”もする。
「僕は考え始めるとダメになるんです。次にバトンを真ん中で持ってしまっても、僕らなら2秒で直せる。一瞬の感覚でできる」
研ぎ澄まされた感覚は、誰と組んでも合わせられる。世界選手権はサニブラウンとも初めて組むことになるが、そこに不安はない。
個人で決勝が遠い日本がなぜリレーに強いのか-。
「みんなで喜びたいというのがありますよね。100メートルは先頭でゴールをすると、2、3、4位の人は落ち込んでるじゃないですか。でも、リレーは1位でゴールをすると、みんなで楽しく話せるから」
桐生が目指すのは、頂点だけだ。

