関東学生陸上競技連盟は20日、本年度の主催大会について、無観客開催と応援自粛の要請を発表した。主催大会には来年1月2日、3日の第97回東京箱根間往復大学駅伝(箱根駅伝)も含まれる。チケット制ではないロードレースは、沿道の観戦に関する規制が難しいが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け、自粛を促した。正月の風物詩は2日間で沿道に100万人以上の見物客が集まるとされる。

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正月の風物詩・箱根駅伝の応援自粛要請が出された。関東学生陸上競技連盟はこの日、ホームページで主催大会について「競技会場はもとより会場周辺への来訪も控えていただくよう要請をお願いします」と発表した。毎年、沿道には往路、復路で100万人以上が集まるが、一般のファンはもちろん各大学の応援団、OBや選手の家族にも応援自粛を求めた。

理由は新型コロナウイルスの感染予防のため。ロードレースは公道を使用するため、完全に人の出入りを制限はできない。しかし、今の時代には少しでも密を避ける必要がある。「駅伝競走開催においても沿道の地元住民の方々のご理解とご協力がなくては成立しません。これまで、駅伝競走は沿道で応援していただく皆様に育てられてきました。これからも、末永く愛される駅伝競走でありたいと思っておりますので、ぜひともご理解ご協力をお願いします」とした。今回は「応援に行かない」という「応援の形」が求められる。

未知のコロナウイルスの猛威は広がり、大学3大駅伝の初戦である出雲駅伝を含め、多くのロードレースが中止になっている。例年通りの開催はできないが、中止を避けるため、開催へ向けて、最大限の努力をした形でもある。

ロードレースを巡っては、今年3月の東京マラソンや名古屋ウィメンズマラソンでも応援の自粛が求められていた。沿道は例年と比べれば、人の数は減ったものの、東京マラソンには約7万人が集まっていた。クラスターが発生すれば、今後のスポーツイベントにも影響は大きい。強く「自律ある行動」を促した。

10月の箱根駅伝予選会も、コースを変更し、無観客の開催となった。また11月の全日本大学駅伝では例年、走り終えた選手がゴール地点の伊勢神宮へ向かっていたが、今年は、それもしない方向で調整している。