ショートプログラム(SP)首位スタートの宇野昌磨(19=トヨタ自動車)が197・48点の合計301・10点をマークし、2位のブラウン(米国)に39・96点差をつけての優勝を飾った。

 出場2大会のポイント上位6人が進む12月のGPファイナルは今季、地元の名古屋で開催。最高の形でスタートダッシュを決め「点数は自分がやってきたことが見やすいもの。フリーは去年とあまり変わらない構成でも(結果が)出た。去年からの成長と思います」と5大会連続の合計300点超えを喜んだ。

 コンディションは前日27日のSPと大きく違った。「みなさんから見たら『満足しない演技じゃないか』と思われるけれど、僕の中では割と満足しています」。体が動きすぎたSPから一夜明け「今日は体が疲れた状態。とりあえず全力でいこうと思った。昨日のショート(SP)は『(力を)セーブしたら失敗する』と思ったけれど、今日は『明日は試合がない。ここで死ぬつもりで』と思ってやった」。冒頭の4回転ループは2・14点の加点を導く好ジャンプ。バランスを崩した3回転ループなどミスもあったが、体力的に厳しかった最終盤も自らに「動け」と暗示をかけて乗り切った。

 SP、フリーと納得のいく演技でたたき出した300点超え。それでも今大会は4回転サルコーを回避するなど、今後の伸びしろは多い。記者会見では「体力がとても足りない。練習で頑張りたい」と先を見据えた。次戦はフランス杯(11月17~19日、グルノーブル)に出場する。