バスケットボール男子日本代表は21日、都内で行われた「W杯アジア地区1次予選 大会直前強化合宿」を公開した。W杯アジア地区1次予選の初戦となるフィリピン戦を24日に控え、富樫勇樹(24=千葉)、田中大貴(26=A東京)ら代表候補選手14人が参加した。公開練習では、さまざまな角度からのシュートを確認した。

 身長167センチながら今季Bリーグ個人得点全体5位、日本人トップの富樫は、14年未勝利のフィリピン戦に向けて「チームが苦しい時に、流れを変えるシュートを打つ」と真剣な表情で意気込んだ。8月に行われたアジア杯の韓国戦では、第3Qまでは1点差で競り合うも、第4Qで相手のペースにのまれ、68-81で敗れた。「東京五輪に出るためにも、W杯では絶対に結果を残さないといけない。五輪につながる大事な試合なので、アジア杯のような試合をしたくない。失うものはないので出し切る」と覚悟を決めていた。日本男子は98年ギリシャでのW杯以降、自力でのW杯出場はない。東京五輪の開催国枠での出場も確定しておらず、国際バスケットボール連盟(FIBA)からは五輪出場には日本男子バスケットボールの強化が条件とされている。W杯に出場し、過去最高成績を残すことがFIBAへの最大のアピールとなる。

 エース田中は、3、4日に行われた島根戦で負傷した左大腿(だいたい)四頭筋の筋挫傷の影響で、2週間Bリーグの試合を欠場している。「今は完璧ではないけれど、プレーができるレベルにはある。2週間試合から離れているので、ゲーム感覚が少し不安」と話した。フリオ・ラマス監督(53)も「通常より少ない出場時間で2、3回交代で出したい」と田中の起用法を明かした。

 サッカー日本代表ハリルホジッチ監督(65)が試合のことを「デュエル(決闘)」と表現したのに対し、ラマス監督は「ルチャ(ファイト)」と表現した。富樫は、日本がファイトする部分として攻撃のボール回しを挙げ「フィリピンの選手は個々の技術は高いけれど、守備への戻りが遅い。うまくボールを回してゴールを決めきれれば十分に勝機はあると思う」と分析していた。

 ベンチ入りメンバーの12人は、22日には決定する見通し。W杯アジア地区1次予選は、24日にフィリピン戦が駒沢体育館で午後7時開始予定。チケットはすべて完売している。27日のアウェー、オーストラリア戦はオーストラリア・アデレードで日本時間午後5時半開始予定。