平昌五輪(ピョンチャンオリンピック)代表の高梨沙羅(21=クラレ)が今季自己最高の2位に入り、逆襲ののろしを上げた。1回目は90メートルで3位につけ、2回目に93メートルを飛び、合計231・4点で今季初めて個人総合1位ルンビ(ノルウェー)同2位アルトハウス(ドイツ)の2強の一角を崩した。自己ワーストの7戦連続優勝なしに終わったが、2回目の飛型点は今季最高の55・5点。地元札幌から上昇気流に乗ってきた。

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 高梨はアプローチ(助走路)の滑りがだいぶ乗れてきた。そのおかげでカンテ(飛び出し口)で当たりが出て飛距離につながっている。序盤戦は腰が浮いて下に力を伝えられていなかった。スキー板も開き気味だったが、うまく空中に飛び出せているので開きも抑えられ、抵抗なく進んでいる。そこが改善されてきたことが大きい。

 ルンビ、アルトハウスの2人は、パワーがあってジャンプが力強い。逆転にはより正確なジャンプが求められるが、平昌までに本数を重ねて確率を上げていければ勝負できると思う。

 また、岩渕のジャンプが良くなってきたことは、チームにとって良い傾向だと思う。チーム全体に勢いが出て他の選手にも相乗効果が生まれていく。流れは良くなってきているので、今週末から始まる山形・蔵王はチャンスも出てくるはず。(全日本スキー連盟ジャンプ女子コーチ)