元総合格闘家で拓殖大学レスリング部の須藤元気監督が、女子レスリング界のパワハラ騒動で練習もままならない状況とされる伊調馨(33=ALSOK)の今後を心配した。

 須藤氏は5日放送の日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」に生中継出演。レスリング関係者から内閣府の公益認定等委員会に出された告発状では、日本レスリング協会の栄和人強化本部長が伊調を指導する男子代表フリースタイルコーチの田南部力氏に対し、練習を辞めるよう命じたとされているが、伊調をめぐる栄氏のパワハラ疑惑に「これは格闘家、レスラー全体的に言えることなんですけど、勝ち負けの勝負で生きてきているので、どうしても相手が自分に対して味方か敵かというのを見がち。そういった判断が今回の問題に発展していったのかなと思う」と私見を述べた。

 また告発状では、協会側が伊調が練習場所としていた警視庁の施設に出入りできないよう圧力をかけたとしており、練習場が定まっていない状況だという。

 須藤氏は「出稽古はできます。行きたいところに行けますし、逆にナショナルチームとして強い人たちが集まってやる練習もあるので、そういった意味では自由に選べるというか、所属していても好きな所に行ける」と説明したが、栄氏が監督を務める至学館大に練習相手となる強い選手が多く集まっていることから「至学館を離れてしまうと練習する場所が意外に難しいというのが現状」とした。

 2020年の東京五輪での5連覇に期待が掛かる伊調だが、須藤氏は「ご存じの通り日本女子レスリング界ってすごく層が厚いので、世界で勝つより日本で勝つ方が難しいと言われているくらいなので、いくら伊調さんと言えども、やはり春までには練習を開始しないと今年の12月(全日本選手権)、勝つのはどうなのかなと思う」と懸念した。