来夏の東京オリンピック(五輪)で2連覇を狙う柔道男子73キロ級代表の大野将平(28=旭化成)が31日、体重無差別で争う全日本選手権出場へ意欲を示した。

五輪3連覇の野村忠宏氏(45)のYouTubeチャンネル「野村道場」に出演。大野は「これまでの稽古で重量級と組み合っていて、全日本選手権への思いは強い。男だったら頂点を目指して、限界までやりたい。良きタイミングで全日本に挑戦したい」と、3度目の大舞台に向けて強い意志を表明した。

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で2カ月近く道場での稽古が出来ず、現在はランニングトレーニングを中止に励む。平地ではなく、階段や坂など負荷のかかる場所で走り込む。「天理市は自然も多いためトレーニング環境に最適」と強調し、篠原信一氏(47)の息子が「インターバルが異常に短い」と悲鳴を上げるほどの過酷なトレーニングという。

政府による緊急事態宣言が解除され、6月1日から畳上で1人稽古を再開する。1人打ち込みで内股や大外刈りなどの感覚を徐々に戻し、強度を上げる予定。東京五輪も来夏に延期となり、大野は実戦機会をなくした学生たちへ理解を求めた。「無理にがんばる必要はないと思う。人間は365日毎日頑張れないし、最低限の積み重ねが大事。今はエネルギーや気持ちを高める時で、来るべき時に気持ちを高めて、収束したら存分に好きなことに打ち込めば良い」。自身も道着を着て柔道ができない日々が続く中で、「(国内外を含めて)みんなが同じ状況で苦しい時。今はやるべきことを考え、来夏に国民の皆さまに元気を届けられるよう準備するだけ」と気持ちを新たにした。【峯岸佑樹】