GP2連勝を狙う鍵山優真(18=オリエンタルバイオ/星槎)がただ一人100点の大台に乗せる100・64点で首位発進した。

冒頭の4回転サルコー-3回転トーループの連続ジャンプを雄大に跳びきり大きな加点を得ると、続く4回転トーループも幅の大きな跳躍で成功させ、勢いに乗った。後半のトリプルアクセル(3回転半)の着氷で乱れはあったが、「ジャンプに関しては昨季と同じに戻してみたんですけど、それでも4回転トーループは、しっかりと去年みたいにおりられて良かった」「ミスがあっても100点台は大きな進展。そこは成長できた部分かな」と手応えあり。21年世界選手権で記録した自己記録、100・96点に肉薄した。

第3戦イタリア大会ではSPは7位に沈んだ。冒頭の4回転サルコーで着氷が乱れた上、続く4回転トーループ-3回転トーループの予定が3回転トーループの単発になるミスが出た。今大会は構成自体を修正し、さらに反省を生かした。

「いろんな方法で試して一番うまくいった方法で、アップも生活もやってきました」。成功体験で参照したのが、今年の世界選手権だった。時間、量を再現して2週間前の失意を払拭(ふっしょく)した。

コーチの父正和さんからは「練習でやってきたものをそのままやるだけ」と送り出されたという。「前回みたいな不安とかの感情はなかった。自信をもって取り組むことできました」と感謝した。

シリーズの上位6人が進むGPファイナル(12月、大阪)切符がかかるフリーは20日(日本時間21日)に行われる。「明日は明日で、どういう気持ちになるか分からないですが、不安な気持ちは一切ないので、強い気持ちでいきたい」と頼もしかった。【松本愛香、阿部健吾】