日本勢初の2連覇が懸かる中、右足首を前日22日に痛めていた宇野昌磨(25=トヨタ自動車)が首位発進した。

心配をよそに今季世界最高の104.63点。2連続トーループの2本目は3→2回転も、4回転フリップと3回転半を美しく。「ホテルを出発する時、緊張していた」と近年では異例の発言が出るほどの悪条件だったが、完遂すると、その右足で氷を蹴り「久々に感情を試合にぶつけられた」と思いを爆発させた。

前々日は「今季一番ひどい」とジャンプの不安を吐露し、前日は公式練習中に4回転サルコーで転倒。右足首を押さえ、立ち上がれなくなった。途中で切り上げ、直後からアイシングを開始。病院には行かずホテルで療養した。

一夜明け「直後はヤバいなと思ったけど、サポートや予防のおかげで想像より、はるかに少ない支障で済んだ」と欠場に至る腫れはなし。右足を突く自身最高難度の4回転フリップも「負傷した状態でジャンプを跳ぶと、どうなるのか」と以前から試していたことで乗り切れた。

25日のフリーへ「もう1回ひねったら歩けなくなる」と警戒しつつ「SP前は(連覇を)意識する余裕がなかったので、次は重圧を自覚できる状態で臨めたら」。不調と負傷を超越する領域に入った。【木下淳】

【フィギュア男子SP速報】宇野昌磨、友野一希、山本草太が出場