【BCリーグの希望】ロッテ和田康士朗を略歴から深掘り 再び盗塁王へ/連載〈24〉

走れ~、走れ~、コ~シロ~♫ ロッテ和田康士朗外野手(24)が、自慢の足でファンを魅了し続けています。敵にとっては脅威でしかなく、ダイヤモンドを駆け回る姿は、次の塁の“獲物”を狙うチーターのよう。今季は足だけでなく、1020グラムと重くグリップも太いバットに替えて打力も磨き中です。代走での貢献度が高い現在ですが、近い将来はレギュラー獲得で143試合出場しての優勝が目標。今春のWBCで快足を存分にいかして世界一に輝いた、ソフトバンク周東佑京内野手にも大きな刺激を受け、3拍子そろった「幕張の韋駄天(いだてん)王子」襲名へ突っ走ります。生き生きとした写真をたくさん、千葉ロッテマリーンズさまより提供いただきました。いつもありがとうございます!

プロ野球

◆和田康士朗(わだ・こうしろう)1999年(平11)1月14日生まれ、埼玉県東松山市出身。市の川小ではドッジボールクラブに所属していたが、小4で「市の川スポーツ少年団」に入り野球を開始。

東松山北中では軟式野球部でプレー。だが、股関節を痛めて野球を断念し、小川高では陸上部に入部。短距離に加え、専門は走り幅跳び。走り方の指導を受けてさらに走力アップ。高1年時、中学時代の同級生が高校野球で強豪を破った姿に心動かされ、同冬に陸上部を退部。小川高野球部は人数不足だったため、クラブチームの「都幾川倶楽部硬式野球団」に加入した。

卒業後はBCリーグ入団テストに合格し「富山GRNサンダーバーズ」入り。2年目からはレギュラーを獲得し、17年ドラフトでロッテ育成1位指名。20年6月1日に支配下登録。背番号は122から63へ。同年開幕戦ソフトバンク戦で代走で初出場し初盗塁。同8月16日の日本ハム戦では初先発し、3安打3得点3盗塁のデビュー。

21年は24盗塁でBCリーグ出身者初タイトルとなる盗塁王。50メートル5秒8、塁間3秒0台。今季推定年俸1800万円。独身で血液型B。6人きょうだいの4番目。父は野球、母はバスケットボール、兄は陸上競技、バスケットボール、妹はソフトボールなどスポーツ一家。趣味はゲーム。185センチ、77キロ。左投げ左打ち。

開幕2軍「焦りはなかった」

――小さい頃から足は速かったんですか。それなら学校ではモテモテだったんですよね

和田足は速かったですが、モテモテだとかなかったです。

――快足ゆえの思い出は

和田運動会で目立てることじゃないですか。まあ、ずっとリレーではアンカーでしたけれど

――アンカーで抜いたり、ゴールテープを切ったりするのは快感だったのでは

和田そんなに切ってないと思います…。

――高校は野球部ではなく陸上部だったんですよね

和田1年の冬までですね。そこで走り方とかを学んで、もう少し速くなりました。短距離もやっていたんですけど、メインは走り幅跳びでした。

「和田参戦」とデザインされたタオルを掲げる(球団提供)

「和田参戦」とデザインされたタオルを掲げる(球団提供)

――支配下登録4年目の今季は、どんな個人目標を立てていましたか

和田1番はスタメンで出ること。そのために2軍で準備してきたんです。まだ準備の途中ではあったのですが、1軍にいる以上は(スタメンではなくても)自分の役割をしっかり整理して試合に臨もうと思っています。

――打撃力向上が課題だと思うのですが、打撃の意識は

和田最初は開幕2軍で、(2軍監督の)サブローさんからも打席を数多く立たせていただく機会をもらって、早く1軍に上がらなきゃという焦りはなかったです。「打席に立ってしっかりバッティングを磨いていこう」と言われていたので。

内田コーチの助言 850グラムからの大増量

――2軍では2割2分6厘。出塁率2割7分4厘。数字だけ見るとまだまだ発展途上ですが、5月2日の1軍昇格。タイミングは思ったよりも早かったですか

和田最初に言われていたくらいのタイミング(時期)だったんですけれど、自分の中でまだまだ打撃に関しては不安が残っていたので、すごく自信を持てていたわけではなかったです。

――具体的には、どんなところを伸ばしたんですか。グリップも太くてグリップエンドが“こけしバット”みたいに。その狙いは

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