【家族の力・高橋光成】暑いロン毛息子へ…熱い父「光成が投げる試合は全部行く」

誰にでも親がいて、生まれ故郷があります。応援に行ったスタジアムで隣の席にいたのが、実はひいきのプロ野球チームのあの選手の家族だったり、そんなことも。埼玉西武ライオンズのエース、高橋光成投手(26)も家族のチカラを全身で受け取っている選手の1人。群馬の山奥でそのチカラをしかと目撃しました。(サムネイルは西武高橋光成投手の父義行さん(左)と祖父)

プロ野球

◆高橋光成(たかはし・こうな)1997年(平9)2月3日、群馬県生まれ。小学1年から利根ジュニアで野球を始める。前橋育英では1年秋からエース。2年夏の甲子園に出場し1回戦(岩国商戦)で歴代2位の9者連続三振をマークするなど、初出場初優勝。3年夏は群馬大会3回戦敗退。2、3年時に高校日本代表。14年ドラフト1位で西武入団。今季は23試合に登板し、10勝8敗、防御率2・21。プロ通算157試合で65勝57敗、防御率3・41。19年にオールスター出場。190センチ、105キロ。右投げ右打ち。今季推定年俸1億8000万円。

おじいちゃん作の「光成小屋」

文字通り「新しく聞くこと」を伝えるのが新聞記者の仕事ならば、西武ファンの読者各位に「高橋りんご園」の記事をお届けするのは、何をいまさら…な部分もあるかもしれない。

群馬県沼田市利根町。「夏が来れば思い出す」の、はるかな尾瀬のちょっとだけ手前に、高橋の…いや、あえて「光成」と書く。光成の故郷がある。

利根町の中心地からさらに標高を上げ、カーナビに未舗装の農道を指示されおびえながら進むと、「高橋りんご園」の看板にホッとする。

群馬・沼田市の山あいにある高橋りんご園は西武高橋光成投手の祖父が営む

群馬・沼田市の山あいにある高橋りんご園は西武高橋光成投手の祖父が営む

そして車から降りると、すごく笑えてしまう。

りんご園の入り口にある一室が光成、光成、光成の、光成一色。外側もすごいし、中に入ったらもっとすごい。

甲子園優勝投手となった前橋育英高校時代から今に至るまでの写真、記事、タオルを中心としたグッズ。ファンには“光成小屋”と呼ばれているらしいそこで、光成の父・義行さんが待っていてくれた。

「すごいでしょ、これ。みんな(光成の)おじいちゃんが買ってるんですよ。ネット通販で」

高橋りんご園の小屋は高橋光成グッズでいっぱい

高橋りんご園の小屋は高橋光成グッズでいっぱい

光成に聞く。

「僕もいつも、自分のグッズを買って送るんですよ。でもじいちゃん、それより早く買ってくれて」

そして父が笑う。

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1980年11月、神奈川県座間市出身。法大卒、2003年入社。
震災後の2012年に「自転車日本一周」企画に挑戦し、結局は東日本一周でゴール。ごく局地的ながら経済効果をもたらした。
2019年にアマ野球担当記者として大船渡・佐々木朗希投手を総移動距離2.5万キロにわたり密着。ご縁あってか2020年から千葉ロッテ担当に。2023年から埼玉西武担当。
日本の全ての景色を目にするのが夢。22年9月時点で全国市区町村到達率97.2%、ならびに同2度以上到達率48.2%で、たまに「るるぶ金子」と呼ばれたりも。