新しい時代を迎えて最初にお伝えするのは、ある町の新たな挑戦~継続の物語。

舞台となったのは、昨年それぞれのリーグで優勝を飾った広島東洋カープと西武ライオンズのキャンプ地でもある宮崎県日南市です。

昭和の半ばには新婚旅行のメッカともいわれるほど多くの観光客で盛り上がりを見せたこの町も、平成に入ると消滅可能性都市にも該当してしまいます。

宮崎県日南市にある鵜戸神宮は、海岸沿いの岸壁にあります
宮崎県日南市にある鵜戸神宮は、海岸沿いの岸壁にあります
洞窟の中に鎮座する鵜戸神宮の本殿。全国的にも珍しい神社です
洞窟の中に鎮座する鵜戸神宮の本殿。全国的にも珍しい神社です

1市2町が合併し、新日南市となったのは2009年3月。翌4月から、日南市役所の企画政策課に勤務し、以前より要望書の出ていたオラレ日南の設立に携わったのが水元宗広さんでした。

オラレ日南の設立に携わった水元宗広さん
オラレ日南の設立に携わった水元宗広さん

人が訪れず“シャッター通り”になっていた商店街(日南市油津)を必ずよみがえらせるという行政方針の元、まずは中心市街地活性化のための説明会から始めたそうですが、オラレ建設については“オラレ”がコミュニティースペースを併設したボートレースの場外発売所ということで、反対や不安の声は多く上がったといいます。

それでも水元さんは、少しでも町を良くしたいなら“勝負に出るところ”と奮起。『オラレ(ORALE)』とは、地域の使われていない施設などを日本財団(BOATRACE振興会)が1億円を上限に拠出して整備し、公共施設として活用されることが前提で、売上金の一部は地元自治体に還元され、運営などは市が責任を持つ施設だということを丁寧に説明していきました。

また、そこに人が集まることで流れができて、周辺施設にも利益が生まれるなど具体的な話もしながら何度も何度も現地に足を運んで説得を繰り返し、ようやく2010年に議会で誘致を推進することが表明されたのです。

信念を持ってオラレ日南の設立へ導いた長鶴部長
信念を持ってオラレ日南の設立へ導いた長鶴部長

この時のことを尋ねると、「何回行ったか分からないですねぇ」と笑いながら「でも、できる方向しか考えてなかったし、当時の長鶴部長がしっかりとした信念を持って導いてくれたので、僕は市民のために、良くなるようにと突き進むだけだったし、壁があってもあきらめずにいられたんです」とすごく前向きなパワーのある答えを返してくれました。

12月24日に芦屋町(福岡県)と行政協定が結ばれた後も、オープンに向けての手続きに忙しく動かれていたようで「警察署に行くとオラレの駐車場が狭かったので警備を必ずつけること! とか、約束事が多くありましたね。それを詰めていって、今度は日南土木事務所に行くと、看板の設置の件で絵は駄目、色や大きさも決められていることを知って、オラレのマークだけなんとか入れることができたりといろいろありました」と懐かしそうに笑顔で振り返ります。

こうして警察署の許可申請や土木事務所とも幾度も打ち合わせなどを重ね、2011年10月29日にオープンしたオラレ日南。

でも、「“これで終わりじゃない”市民の皆さんに必ず町を良くします! と言ったからには“今後も”と新たな責任を感じた」という水元さんのその気持ちが、日南市油津でのペアボート体験開催へと〓(繋の車の下に凵)がっていくのです。

 
 

7月20日に、宮崎県日南市の油津港まつり2019で、ペアボート乗船会が行われます。このチケットをペアで2組にプレゼントします。希望者は、はがきに代表者の郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号を明記して〒530・8334(住所不要) 日刊スポーツ新聞社レース部「油津港ペアボート乗船券」係までお願いします。締め切りは6月30日必着。当選者の発表は賞品の発送をもって代えさせていただきます。応募は1人1枚でお願いします。なお、油津港までの交通費等は自費となります。