藤木裕(34=京都)が涙の地元G3初優勝を飾った。近畿3番手から直線追い込み、13年4月の武雄以来、約5年5カ月ぶり3度目のG3制覇。2着に藤木後位の村上博幸、3着には岩津裕介が入った。

激しいレースだった。金子哲大が、杉森輝大と斉藤竜也を連れて打鐘前発進。これに対して山田久徳-藤木-村上の地元3人を従えた三谷竜生が、打鐘過ぎに猛スパート。ホーム前では出切って近畿勢が主導権を奪った。この動きを見た清水裕友-岩津が2角まくりで襲いかかったが、番手の山田が合わせてバックまくり。後ろの藤木が清水のまくりを3角で好ブロックし、その勢いのままゴールまで突き抜けた。

「竜生が行ってくれて、久徳が頑張って、博幸さんが後ろでサポートしてくれた。みんなのおかげで勝つことができました」。藤木は人目もはばからず号泣した。ヘルニアの悪化でどん底を見たが今年復活し、初の地元G3優勝。「(1班に復帰する)来年、もっと頑張ってG1でも結果を出していきたい」。層の厚い京都軍団に、頼れる男が戻ってきた。【杉森洋一】