競輪、楽しんでいますか?
27日、都内のホテルで日刊スポーツ新聞社制定「第38回競輪三賞」の表彰式が、ファン、関係者約150人を集めて盛大に行われた。古性優作に殊勲賞、脇本雄太に敢闘賞、郡司浩平に技能賞、石井寛子にガールズ最優秀選手賞、そして昨年いっぱいで現役を引退した神山雄一郎氏(以下、敬称略)に特別賞が贈られた。
グランドスラマー神山と、3日前の豊橋G1全日本選抜Vでそれを超えるG1・6冠+GPの「グランプリスラム」を達成したばかりの脇本が、時を置かずして顔を合わせるというのも天の粋な計らいか。2人は控室で歩み寄ると、満面の笑みで隣の席に着いた。
脇本が「神山さんを超えた? とんでもない。G1を16勝なんて、その数字だけを取ってもとても追いつかない」と尊敬のまなざしを向ければ、神山は「普通に走ればワッキーに勝てる選手はいない。俺は一番強いと思っているよ。(記録は)すぐに追いつかれますよ」とたたえた。
話は盛り上がり、両者の連係や対戦の思い出へ。「確か、佐世保記念の2日目優秀戦で(前日に)付けていいか? って聞いて連係したよな? あの時は俺が勝ったんですよ」(神山)、「先行したけどあっさり差されましたね(笑い)」(脇本)と、今から約12年前、12年12月9日のレースを両者とも鮮明に覚えていた。
一方、対戦では「広島記念の2日目優秀戦で(神山を付けた)後閑(信一)さんが先行して(自分が)まくったんだけど、神山さんに軽く飛ばされました(笑い)」(脇本)、「そうそう、あの頃はまだ脇本が今ほどは強くなかったからね。だから(勝てたん)ですよ」(神山)と、さらに時をさかのぼった11年12月16日のレースを昨日のことのように振り返った。
世代も地区も全く違う両者だが、アスリートとして、競輪選手として、もともと相通じるものがあったのだろう。「話が弾む」とはまさにこのこと。2人の、心の底から楽しそうな表情が印象的だった。私も、こんな瞬間に立ち会えた幸運を思わずにはいられなかった。感謝。
さて、この後は控室でのこぼれ話。
神山が昨年暮れの自身の引退報道について、こんな笑える話をしてくれた。
「(引退)会見の次の朝に、家の近くのファミマに行って(スポーツ)新聞を全部買ったんですよ。そしたら日刊スポーツさんが1面でドーンってやってくれていたじゃないですか。“良かったなあ”と思ってね。競輪が新聞の1面に載っけてもらうなんてなかなかないからね。うれしくて(店員に)“これ、俺だよ!”って言いそうになりました(笑い)」
飾らない人柄に乾杯!【栗田文人】



























