【松井律・競輪黙示録スペシャル】

清水に攻めの気持ちが戻った。松浦に前回りを志願した12RローズCは、残り2周半過ぎから先行。8着に沈んだが、郡司の巻き返しを突っ張り、脇本にも出番を与えない見せ場たっぷりの内容だった。

これまで同じ開催中に松浦との前後を入れ替えたことはなく、インタビューでも「今回は例外」を強調していた。

「初日のウオーミングアップでいい感触があったし、準決までに自力でやっておきたかった。それに、最近は松浦さんばかり目立っていましたからね」。禁を破った理由をいたずらっぽく明かした。

レース後の松浦との反省会で、清水が表情を緩めたシーンがあった。「インを切りにいく時にニュートラルに入れられたね」。この松浦の指摘こそが、この日一番の収穫だった。力のロスなく前に出られればスタミナが温存でき、その後の戦略の幅も広がるからだ。

もう1つ、聞き流せない発言があった。「直線部分で郡司さんに出られそうだったけど、前橋の特性を利用して合わせられました」。「33が得意、ドームが得意」と公言するが、それを裏付けるつぶやきだった。

準決12Rは、四国勢との連係に関して「僕が前でも足手まといにはならんでしょう」と自信満々で前回りを即決した。脇本とのスピード差は否めないが、このバンクでは何が起こるか分からない。2日間で会得した感覚を生かして、当大会3年連続の決勝進出を決める。(2)-(6)(3)(1)(9)-全。