荒尾聡(38=飯塚)が悲願の地元SG初制覇を果たした。

5番手スタートから追い上げ、5周3コーナーで先頭に立ち、そのまま押し切って優勝。賞金1300万円を獲得した。通算4度目のSG優勝で、大会連覇も達成。2着は青山周平、3着に篠原睦が入った。


地元SG初制覇を果たし笑顔でガッツポーズする荒尾聡(撮影・梅根麻紀)
地元SG初制覇を果たし笑顔でガッツポーズする荒尾聡(撮影・梅根麻紀)

想定とは少し違う勝ち方だった。1枠からトップスタートと思いきや、佐藤摩弥&篠原睦のカマシスタートにのみ込まれてしまい、5番手発進。「スタートはどんぴしゃのタイミング。あれで行かれたのは、みんなが早かったからですよ」とスタートを振り返った。


ただ、エンジンはうなりを上げていた。「試走から手応えがあった。先頭に立ったら抜かれない自信はあった。ただ、道中、何回か厳しいところに入ったが、そこを行かないと勝てないので」。厳しいさばきで1車、また1車抜き上げた。


5周3角で篠原睦(3着)をとらえると、そこからは後続をみるみる離す。8番手から追い上げてきた2着の青山周平が届かないほどの差をつけて、地元飯塚でのSG初制覇&大会連覇を成し遂げた。


優勝戦で先頭に立つ荒尾聡(右)
優勝戦で先頭に立つ荒尾聡(右)

新型コロナウイルス感染対策で、今節は無観客のナイターSG。会見ではスタンドを指さし、「あそこ(観覧席)で小さいころから見ていて育ったので、歓声がないのは寂しかった。でも地元のSGはずっと取りたかったから、今回は自分にプレッシャーをかけた中で優勝できたのは自信になりますね。テレビの前で観戦してくれた方が1人でも喜んでくれたら幸せです」。観戦がかなわず、ステイホームで応援してくれたオートファンに感謝した。


荒尾聡はインタビューで感極まり涙ぐむ(撮影・梅根麻紀)
荒尾聡はインタビューで感極まり涙ぐむ(撮影・梅根麻紀)

今回は開催告知のポスターに起用され、そんなプレッシャーもはねのけた優勝。これで名実ともに飯塚のエースライダーへと成長した。昨年は浜松の湿走路で圧勝。今年は地元の良走路で快勝。だからこそ、自分を戒める。「SGを取った次のレースが大事なんです」。


次は5月7日からの飯塚開催で強い荒尾を見せてくれるはずだ。