4日間トーナメント制の激烈バトルは、寺田祥(42=山口)がイン逃げで制し、2代目チャンピオンに輝いた。

あみだ抽選で得た1枠の利を最大限に生かし、G1優勝は7度目、通算54度目の優勝を飾った。来年のBBCトーナメント優先出場権を獲得した。1Mで迫った吉川元浩が2着、田村隆信が3着に入った。

巡ってきたチャンスを逃さなかった。あみだ抽選で1枠を得た寺田祥がインから逃げ、BBC第2代チャンプに輝いた。「(1枠は)うれしいというよりビックリした」。

枠の幸運に加え、決勝戦は波のない絶好水面に恵まれた。コンマ17の3番手タイスタートを決めてイン先マイ。まくり差してきた吉川元浩をぎりぎりで封じた。「今まで走った中で一番うれしかったかもしれない」と笑い、安堵(あんど)感もにじませた。

年末決戦を前に、多くの不安を取り払った。グランプリ出場を決めてはいたが、近況のリズムは上がらなかった。8月、地元の下関メモリアルを制した時も「今年は徳山、下関で稼いでいるだけ。ほかは全然良くない」と本音を漏らした。

実際、今年の優勝は徳山(周年含む)2度、下関(SG含む)3度と地元地区のみだったが、やっと他地区で優勝した。17年8月のメモリアルでSG初優勝を飾った験のいい当地で、リズムを修正できた。

さらに今シリーズ前、今年のG2以上の1コース勝率は50%まで低下した。嫌なイメージはあったが、今節の1枠=インは3戦全勝。「1走目だけ悪かったが、そこからうまく合わせられた。最近の中ではいい方」。出足を仕上げ、調整や勝負勘も取り戻した。

選出6位で出場する次走SGグランプリ(平和島)へ、これ以上ない弾みがついた。「まずはグランプリを頑張ります」。1期上の先輩白井英治とともに、郷土のレジェンド今村豊さんが果たせなかったグランプリ優勝へ力を込めた。【窪寺伸行】