開幕直前コラムの最終回は、舞台となる平和島の水面特徴と、気になる注目エンジンを紹介する。インが難しいと言われる平和島、冬はホーム向かいの北風が吹き、思わぬレースを演出する。エンジンは3月のSGクラシックでは、強力機が優勝戦を彩った。今回はどうなるか。

【平和島の水面特徴】

今年1月1日から平和島前節最終日の12月6日までのデータで、イン1着率の全国平均は55・8%、平和島は45・3%と10%以上も低く、全国で23番目(最下位は戸田)になる。平和島の前回、6年前のSGグランプリ優勝戦も、勝ったのは6コース発進の茅原悠紀だった。

さらに、冬は風向きが北のホーム向かい風になる。6年前のファイナルは、レース直前に北風が吹きだしたことと無縁ではないと思われる。向かい風で中、外コースが伸びてくると、インは握って回る。ターン半径が大きくなり、そこにスピードを持った差しが入ってくる。茅原がまさにそれだった。また、風の強さが一定でなく、特に内コースのスタート勘を惑わせるのも、インが弱くなる一因だ。

【注目エンジン】

3月のSGクラシックは吉川元浩がエース機で優勝。新エンジンが6月に更新され、今回は超抜の存在がいない。56、65号機にエース機の期待がかかったが、複勝率上位6基に入っていない。近況で最も好調なのは、複勝率4位の67号機で、実戦型のパワータイプだ。また、同5位の37号機は伸び型。スタート一気の攻めに期待したい。(終わり)【中川純】