なんと現役のボートレース選手会長である上滝和則(53=佐賀)が、優勝戦で4コースからコンマ08のトップスタートを決めてまくり切り。11年3月からつ以来、約11年ぶりの美酒に酔いしれた。ちなみに現役選手会長の優勝は史上初の出来事。

なぜ、こんなに驚きかというと、これまでのボートレースの選手会長は任期中にレース参戦することは基本的になかった(3年に1度は免許更新のため1走していた)。ところが、上滝は「走る選手会長」として、任務をまっとうしながらレースのあっせんを受け続けた。

往年の強さは言うまでもなく、4度のSG優勝、17度のG1制覇を誇り、艇王と呼ばれた植木通彦氏、なにわのモンスター野中和夫氏(ともに引退)と同じ時期に、トップランカーとして活躍した実力者。

この日の対戦相手は、魚谷智之、萩原秀人、海野康志郎、和田兼輔といった記念、SG級がそろっていた。確かに今シリーズはかなり強力な仕上がりだったとはいえ、後輩たちにコース不問の底力を見せつけたのは立派だ。