日刊スポーツ新聞社制定「第36回競輪年間三賞」の受賞者が決定した。敢闘賞は、史上4人目のグランドスラム達成の新田祐大(36=福島)が受賞した。

なお、今年も新型コロナウイルス感染拡大防止のため、表彰式典は行わない。

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新田は、5年ぶりの三賞受賞の報に「僕がいただけるんですか? びっくりしました。日刊三賞は昔からすごく名誉がある賞だと思っていて、毎年選ばれる3人はすごいなと思っていたんです。うれしいです」と、満面の笑みで喜んだ。

昨年は、5月の地元いわきでのダービーの前検練習中のアクシデントで右肩を負傷。けがの影響が秋まで尾を引き、GP出場も諦めかけていたという。「正直、去年は重圧がすごくて、精神面も肉体面も厳しかったんです。SSは挑まれる立場だと思うのに、SSじゃない自分に、SSが挑んでくる感じで…」。

そんな中、千載一遇のチャンスでつかんだ寛仁親王牌優勝、グランドスラム達成。「最後まで諦めないことを学んだ1年でした」。我慢の先に咲いた花は強い。

今年は幸先良く立川G3を制覇。さらなる活躍で近畿勢の前に立ちはだかる。

◆新田祐大(にった・ゆうだい)1986年(昭61)1月25日生まれ、福島県会津若松市出身。県立白河高卒。競輪学校(現養成所)90期生として05年7月函館でデビュー(予選1着、準決7着、最終日棄権)。10年12月に単発のSSカップみのりでG1初制覇。22年の前橋寛仁親王牌でグランドスラムを達成し、4日制以上G1は計8冠。通算1021戦365勝。通算獲得賞金は11億4890万2737円。172センチ、76キロ。血液型O。

◆敢闘賞・選考 グランドスラムの新田祐大、G1・2冠の古性優作、そしてG1無冠ながら松浦悠士の争いになり、新田が票を集めた。

◆選考委員 ▽東京 沢畠功二、山本幸史、栗田文人、野島成浩、中野公博、松井律、中野浩一(評論家)▽西日本 吉富康雄、町田達彦、草川太郎、鎌田優、津波謙次、井筒靖明、村上正洋、榎並義朗、山田敏明、中嶋聡史、神田成史、川尻将志、東和弘、杉森洋一、秋山正則、来嶋泰之、音無剛、山口幸二(評論家)

◆競輪年間三賞 日刊スポーツ新聞社が87年に創設した。1年間(1~12月)の競走を対象として、活躍した選手の中から殊勲、敢闘、技能賞、ガールズ最優秀選手賞を選定し、表彰する。日刊スポーツ新聞社の東京、西日本両本社の競輪担当記者と評論家らで構成される三賞選考委員会が、受賞者を選定。表彰状と賞金が贈られる。