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フラッシュ復権ダービー以来頂点/天皇賞

エイシンフラッシュで天皇賞・秋を制しガッツポーズするデムーロ騎手(撮影・小沢裕)
エイシンフラッシュで天皇賞・秋を制しガッツポーズするデムーロ騎手(撮影・小沢裕)

<天皇賞・秋>◇28日=東京◇G1◇芝2000メートル◇3歳上◇出走18頭

 閃光(せんこう)のイン急襲だった。10年ダービー制覇から2年5カ月も勝利から遠ざかっていた単勝5番人気エイシンフラッシュ(牡5、藤原英)が、中団内で脚をため、直線一気に伸びた。ミルコ・デムーロ騎手(33)の手綱と復活に懸ける厩舎スタッフの情熱が天覧競馬で花開いた。今後は11月25日東京のジャパンC(G1、芝2400メートル)から、12月23日中山の有馬記念(G1、芝2500メートル)の王道を歩む。

 デムーロは失速気味のシルポートの内がガラ空きになるのを見逃さなかった。下がってくることを想定した他馬が外へ進路をとったのをよそに、迷いなく最内にエイシンフラッシュを導く。

 「この馬は賢くてゴールを知っている。フェノーメノとルーラーシップが迫ってきて不安だったけど、馬の力を信じた」

 外からライバルが伸びてきたが、渾身(こんしん)の右ステッキに応えてフラッシュは集中力を切らさなかった。フェノーメノを半馬身抑えてゴールに飛び込むと、右手とともに雄たけびを上げた。

 日本での勝利が何よりもうれしかった。昨年3月のドバイワールドCでヴィクトワールピサと歴史的頂点に立ち、今夏は英国を拠点に欧州で大きく名前を売るはずだった。しかし現実は厳しかった。全く騎乗馬が集まらず、マルティーナ夫人と一緒に3、4時間かけて地方の競馬場を回る日々が続いた。

 「チャンスをつかめず苦しかった。やっぱりボクにとって日本は第2の故郷。皆さんが温かく迎えてくれる。そして天覧競馬という特別なレースでチャンスを生かすことができた。今回でボクもフラッシュも復活できた」

 ウイニングランを終えてスタンドの陛下の前にさしかかると、静かに下馬。右ひざをついて最敬礼した。ファンに向けては手でハートマークを作り、日本への愛情を目いっぱい表現した。

 もちろん、どんな苦境にもめげないフラッシュの精神力があってこそだ。担当の久保敏也助手はダービー後、結果が出ない日々に苦悩し続けたが、むしろフラッシュに励まされた。「本当にすごい馬。こっちの心が折れそうになっていた時も、とにかくフラッシュは一生懸命だった。ダービーはフロックでもないし、終わっちゃいないと思っていました」。

 前日の輸送では中央道の事故で予定より2時間半遅れた。デムーロもこの日の朝、厩舎に足を運んだように疲れが心配されたが、フラッシュは最高にリラックス。大一番で芯の強さを見せつけた。

 今後はオーナーと協議の上、予定通りジャパンC→有馬記念へ向かう。ダービー以降未勝利の悪夢から目覚めた今、胸を張って王道を歩む。【鎌田優】

 [2012年10月29日9時2分 紙面から]




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