日本代表MF本田圭佑(30=ACミラン)が、無得点で後半36分に退いた。放ったシュートは両チーム最多となる4本。1-1となった後半29分、右クロスを頭で合わせるも枠を外れる。さらに同35分にも左からのクロスに再びヘディングシュートを狙うが、左ポストをかすめながら外れた。苦しい展開に引き分け濃厚の中で、ロスタイムに勝ち越す劇的勝利。しかし、本田の気持ちは収まらなかった。

 「本当はうざいくらい(ボールを)回して、向こう(イラク)が『うざい』と思うくらい回したいと思っている。本当はこっちが向こうをばかにしたい。だけど今のところ戦術的に求めていない。例えば、僕とかヤットさん(G大阪MF遠藤)の真骨頂。悪く言えば僕もスピーディーさに欠けるとか、悪く言えばいろんな意見があるかもしれない。だが、アジアレベルで言えば徹底的にばかにするプレーを得意とするところ」。

 僅差の戦いが続くアジア最終予選での現状に、そして自分自身にも苛立ちを感じているようだった。「必要以上に僕らをリスペクトしていないことが腹立たしい」。臆することなく向かってくる中東勢。9月に敗れたUAEに続き、ホームで苦戦が続く。11日のアウェー、オーストラリア戦でも苦しい戦いを覚悟している。

 「もっと厳しくなる。想像以上に押されるシチュエーションを僕の頭の中で描いている。この感じではダメ。アウェーの戦い方があるんで。誰かが体を張って2、3秒キープしただけで天と地ほどシチュエーションがかわったりする。クリアする場所とか。ホント細かい。意思疎通じゃないんですよ。サッカーやっていればわかるだろってことがどれだけできるか。ここまで20年くらいサッカーやっていればわかるだろってとこを信じるしかない」。