川崎フロンターレのDF車屋紳太郎が、日本代表に初選出された。16年3月に国内の代表候補合宿に参加して以降、A代表のバックアップメンバーが続いていた。守備面での成長を自負する25歳は、攻守での奮闘を誓い、同じポジションで尊敬するDF長友のプレーを間近で体感し、自身の成長につなげる。

 初めて日本代表候補合宿に参加してから1年半を経て、代表のピッチに立つチャンスが巡ってきた。「バックアップかな…と思ってたので最初は信じられなかった」と苦笑も、家族や友人からの祝福のメールにジワリと実感がわいた。9月のW杯アジア最終予選を含めバックアップメンバーには名を連ねていたが代表選出には至らずにいただけに「このままズルズルいくのかなと思いましたが、ここで選んでいただけたのは試されているなと。ここで結果を残せれば呼ばれる可能性が高くなる」と生き残りへ強い思いを口にした。

 攻撃面では持ち味のスピードを生かした果敢な仕掛けが特長で、16年の合宿ではハリルホジッチ監督から守備の寄せの課題を指摘された。川崎Fでは風間前監督、鬼木監督からポジショニングや守備を鍛えられてきた。「この1年半でどれだけやれているのか、すごく興味があるし自分を出さなくちゃいけない」と決意を言葉にした。

 DF長友にはアマ時代から敬意を抱き、ドキュメンタリー番組などを細かくチェックしてきた。「(長友と)話したいし、スピードや上下のタイミングを間近で見てみたい」。あこがれの存在のプレーを間近で体感し、自身の成長につなげる覚悟だ。【岩田千代巳】

 ◆車屋紳太郎(くるまや・しんたろう)1992年(平4)4月5日、熊本市生まれ。5歳からサッカーを始め大津高、筑波大を経て14年に川崎Fに加入。同年11月の広島戦で初出場。15年からレギュラーに定着し今季はリーグの全27試合に先発出場。J1通算89試合1得点。178センチ、73キロ。血液型A。