なでしこジャパン(FIFAランキング8位)が中国(同13位)を1-0で下し、2連勝を飾った。高倉麻子監督(49)は8日の韓国戦で決勝ゴールを奪ったFW岩渕ら先発4人を入れ替え、新布陣を試した。フィジカルに勝る中国のプレッシャーに苦しみながらも、前半20分のFW田中のゴールを守りきって勝利を拾った。監督就任後、初の公式大会優勝をかけて15日に北朝鮮と激突する。国内組で臨む男子は今日12日に第2戦で中国と対戦する。

 高倉監督が大胆な策に出た。得点源のFW岩渕らを外し、韓国戦の4-4-2から試合前日に試したばかりの4-1-4-1の新布陣で臨んだ。選手に戸惑いも見られ、先制したものの、中国にチャンスをつくられる場面も目立った。それでも守備的MFでフル出場した21歳の隅田ら、若手を多く起用する我慢の采配で「今日はとっても胃が痛いです」と苦笑いした。

 それでも短期決戦の中で、選手を入れ替えながら2連勝したことは大きい。後半は韓国戦と同じ布陣に戻し、最後の北朝鮮戦へ向けたシミュレーションにもなった。就任当初から、誰が出ても力を発揮できるチームを理想に掲げて世代交代を進め、「戦える選手とそうでない選手を厳しく見極めている」と19年W杯、20年東京五輪へ向けた選手選考の段階に入っていることも明かした。見据える先は東アジアの頂点ではない。再び世界一になるため、3戦全勝で大会を終える。