日本代表をまたも悲劇が襲った。西野新監督体制で3年2カ月ぶりに代表復帰したMF青山敏弘(32)が24日、右膝を痛めて代表を離脱することが決定。2大会連続でのワールドカップ出場が絶望となった。20日のセレッソ大阪戦後に右膝の痛みを訴え、この日千葉県内の病院で検査した結果、同行は困難と判断された。他にもFW岡崎、MF乾ら故障者が続出しており、西野ジャパンが窮地に立たされた。

 負の連鎖が止まらない。千葉県内の代表宿舎に到着した青山はすぐにメディカルチェックを受け、同県内の病院へ直行した。検査の結果、プレーは困難との診断を受け、練習に参加せずに代表離脱が決まった。青山は「しばらく代表を離れていて今回、本番直前のこのタイミングでチャンスをもらえた中、チームにも入れずにけがで断念することになり残念です」とコメントした。

 西野新体制となり、15年3月31日の親善試合ウズベキスタン戦以来、3年2カ月ぶりにサプライズ招集された。14年ワールドカップ・ブラジル大会に出場した経験、そして現在リーグ戦で首位を独走するサンフレッチェ広島の大黒柱として期待が込められた選出に意欲も高かった。青山が右膝を負傷した20日のC大阪戦に出場していたMF山口は「(負傷に)全く気づかなかった」と話すように、無理をしてプレーを続けていた可能性もある。合流日ギリギリまで待った上での苦渋の決断だった。

 チームメートには夕方に練習場へ向かう直前に離脱を伝えた。かつて広島でともに戦ったFW浅野はトレーナー室で肩を落とす青山に遭遇。「青くん(青山)に『一緒にやりたかったけど、俺、だめだわ。1本のパス出してやりたかったけど、頑張ってな』と言われました」と明かし、「頑張りますとしか言えなかった。何を言うべきだったか、今も悩んでいます」と苦悩の表情を浮かべた。青山はチームメートそれぞれの部屋を訪ね、離脱を告げたという。

 これで右足首の手術を受けるため招集が見送られたMF今野に続き、ボランチ候補を失った。乾や岡崎も故障を抱え、GK中村は脳振とうと頸椎(けいつい)捻挫から復帰したばかり。西野ジャパンに不安材料は尽きない。【松尾幸之介】