日本代表が、ワールドカップ初戦のコロンビア戦の後半28分、途中出場したMF本田圭佑(32=パチューカ)の左CKを、FW大迫勇也(28=ブレーメン)が頭で押し込み、劇的な勝利を挙げた。

 日本は前半2分40秒過ぎ、右サイドからのクロスボールを、DF昌子源(25=鹿島アントラーズ)がヘッドで前線にクリア。そのボールをMF香川真司(29=ドルトムント)が右足で1タッチで前線に送った。そのボールに反応した大迫がDFと競り合いながら抜けだし、左足でシュート。GKオスピナが弾いたこぼれ球を、香川が左足でシュートすると、止めに入ったMFのC・サンチェスの右腕に当たり、レッドカードで1発退場を誘うとともにPKを獲得。前半6分、そのPKを香川が落ち着いて右足でゴール中央に決めた。香川はコーナー方向に滑り込み、胸をたたいてアピールした。

 一方、1人少なくなったコロンビアは、FWラダメル・ファルカオ(32=モナコ)にボールを集め、同点のチャンスをうかがった。前半12分、後方からの浮き球パスに反応したファルカオが抜け出し、ゴール正面で左足つま先で合わせるが、GK川島永嗣(35=メッス)の正面だった。同30分には、日本が1-4と大敗して1次リーグ敗退を喫した2014年6月24日のブラジル大会1次リーグで先制弾を決めたMFクアドラドが、MFバリオスと交代を余儀なくされた。そして同33分にも後方からの浮き球に抜け出したファルカオが、右足つま先で合わせるがゴールにはならなかった。

 そして前半39分、MF長谷部誠(34=フランクフルト)がゴール前で与えたFKを、MFフアン・キンテロ(25=リーベルプレート)にグラウンダーのキックからゴール右隅に決められた。川島は猛抗議したが、ボールは完全にゴールラインを割っており、10人のコロンビアに追いつかれた。

 後半も日本は攻勢を仕掛けた。前半9分、MF原口元気(27=デュッセルドルフ)が右から仕掛け、中央の香川を経由し、左サイドで受けた大迫が角度のないところからシュートも、ゴールを決めることは出来なかった。同12分にも、右から前進した大迫のパスをペナルティーエリア左角で受けたMF乾貴士(29=エイバル)が切り返してDFをかわしてシュートも、GKに弾かれた。

 一方、コロンビアは後半14分、同点ゴールのキンテロに代えて、左ふくらはぎ痛や疲労で先発を回避した、MFハメス・ロドリゲス(26=バイエルン・ミュンヘン)がピッチに立った。

 日本も後半25分、香川に代えてMF本田圭佑(32=パチューカ)をピッチに送り込んだ。そして同28分、中央の本田からパスを受けたDF酒井宏樹(28=マルセイユ)が右クロス。ゴール前で受けた大迫が落としたボールを、酒井宏がシュートもDFに当たってCKとなった。

 本田のCKを頭で押し込んだ大迫は、仲間が待つベンチにダッシュして喜びを爆発させた。西野監督が96年アトランタ五輪でブラジルを1-0で下した「マイアミの奇跡」から22年…〝サランスクの奇跡〟でコロンビアを撃破した。