U-20(20歳以下)女子日本代表(ヤングなでしこ)は、後半31分にMF林穂之香(20)が決めた決勝点を守りきり、初戦を白星で飾った。

 前半は左サイドハーフに入ったMF宮沢ひなた(18)や、最前線のFW植木理子(19)らを中心に攻撃を組み立て、30分には宮沢の左サイドからのクロスボールに身長169センチのFW宝田沙織(18)が頭で合わせたシュートがゴールバーをたたくなど、チャンスを何度も作ったが得点を奪いきれず、スコアレスで折り返した。

 後半に入っても、互いの意地がぶつかり合う攻防が続く。そして迎えた31分に試合を動かしたのは日本だった。ゴールまで約30メートルの位置で林がボールを持つと「ゴールが見えて、キーパーも出ていた」と思い切って左足を振り抜き、ボールは美しい弧を描きながら相手GKの手をかすめ、ゴールバーに当たってネットを揺らした。この林の華麗なロングシュートで、日本が先制に成功する。

 試合終盤には相手の猛攻も受け、終了間際の45分には右CKをMFハウエルに頭を合わせられたが、枠をとらえたボールはゴールライン上で守っていたDF牛島理子(18)が同じく頭ではじき出し、得点を許さない。

 試合を通して自陣でのミスからカウンターを受けてピンチを迎える場面が多かった日本だったが、体を投げ出してシュートをブロックするなど、気迫のプレーで最後まで米国の攻撃をシャットアウト。同大会では初となる優勝を目標に掲げるヤングなでしこが幸先よく白星を手にした。

 池田太監督(47)は「選手たちがハードワークしてくれたので、ベンチでも感動しました」と選手をねぎらった。得点後の試合終盤には足をつって途中交代するなど、攻守に活躍した林については「彼女は今、すごく調子がいいし、狙うチャンスがあればどんどん足を振っていこうと話していた」と笑顔をみせた。

 今大会は4チームごと4組に分かれ、各組上位2チームが準々決勝へと進出する。日本は9日に、同じく第1戦で勝利したスペインと対戦する。