日本サッカー協会(JFA)は11日、東京・JFAハウスで19年の日本代表の年間スケジュール発表会見を行った。来年6~7月の南米選手権(ブラジル)にはA代表の派遣を決定。日本代表と東京オリンピック(五輪)世代の来年U-22日本代表の森保一兼任監督(50)は両世代を融合したメンバー構成になる見通しを示し、南米特有の「マリーシア(ずる賢さ)」習得に意欲。日本人特有の「賢さ」に「マリーシア」をまぶした19年版の森保ジャパンを構築していく。
4年後と2年後。森保監督の視線は両方をしっかりととらえていた。19年の年間スケジュール表の頂点に記されたA代表の6月と7月の欄に、20年ぶりに南米選手権が組み込まれた。「幅広い年代で代表を組むことが考えられるかなと思います」と五輪世代を加えた編成を想定。「本気の南米相手に我々が経験値を高め、さらにチーム力を高めて次に向かっていければ」。南米の地での貴重な経験を4年後のワールドカップ(W杯)カタール大会と2年後の東京五輪の両世代に積ませる狙いがある。
19年はW杯ロシア大会でベスト16の日本代表のスタイルを継承しながら、新たなスパイスを加える。「南米のチームには学ばなければいけないと思われることがまだまだたくさんある」と技術や判断力を挙げ、最重要視したのが「マリーシア」。「流れを読むという部分、マリーシアという部分を学ぶ。日本はいろんな局面で賢さを発揮して臨機応変に対応できる。個人としてもチームとしても我々スタッフも身につけないといけない」。勝負の行方を左右する「ずる賢さ」を2世代の代表に注入させる。
19年の最大目標は1月のアジア杯制覇だ。「(就任後)初のタイトルをかけて戦うことになる中(世代間の)融合をさらに進めていけるよう、結果も出せるように一丸となって頑張りたい」と、今日12日のメンバー発表での若手の抜てきに含みを持たせた。アジアと南米での戦いで、19年の森保ジャパンは大きな成長曲線を描く。【浜本卓也】
◆南米選手権 南米連盟主催の大陸別選手権で、基本的に4年に1度開催される。同連盟が設立された1916年に始まった世界で最も歴史のある大陸王者決定戦で「コパアメリカ」とも呼ばれる。ブラジルで開催される今大会には同連盟所属の10チーム(アルゼンチン、ボリビア、ブラジル、チリ、コロンビア、エクアドル、パラグアイ、ペルー、ウルグアイ、ベネズエラ)と招待国が参加する。日本はトルシエ監督時代の99年パラグアイ大会に出場し、1分け2敗だった。前回王者はチリ。