17歳のMF久保建英(東京)がA代表入りする可能性が出てきた。サッカー日本代表の森保一監督(50)は27日、新元号初戦となる6月のキリンチャレンジ杯2試合と南米選手権(ブラジル)に若手を積極的に起用する方針を示した。東京オリンピック(五輪)世代のU-22代表の顔触れが候補になり、クラブと五輪代表で結果を出す久保の抜てきも視野に入れた。

   ◇   ◇   ◇

森保監督が、柔軟な思考でピンチをチャンスに変える。次の代表戦は6月5、9日のキリンチャレンジ杯と南米選手権だ。メンバー編成について聞かれると「メドはたちませんね」と苦しい胸の内を明かした。

招待参加する南米選手権は選手招集に強制力がなく、従来の主軸を呼ぶめどが立っていない。関係者によるとFW大迫のブレーメンだけでなく、2月の欧州視察でDF吉田のサウサンプトン、DF酒井のマルセイユからも南米選手権への派遣を断られたことが判明。欧州組を希望通りに呼ぶことは困難で、6月は「今の感触としては2チームになる」との見通しを示した。海外組を招集できても長期間同行させるわけにはいかず、キリンチャレンジ杯と南米選手権で別編成を組む考えだ。

ただ、悲観するだけではない。「今回U-22もやっている。その中にA代表に呼べるような選手がいれば選考の土台に挙がるということ」と五輪世代に着目。久保の名前が挙がると「結果も出しているし、それだけのプレーを見せている選手には次のステップが準備されると思う。次のステップへの扉は自然と開いていく。彼ができることを確実に積み上げていってもらって、成長してもらえればなと思います」と前向きな言葉を並べた。

日程的にU-20W杯ポーランド大会と重なるうえ、クラブとの調整が必要だが、招集が実現すれば戦後では市川大祐(17歳322日)に次ぐ史上2番目のA代表年少デビューの可能性もある。

今後、森保監督はJリーグを中心に視察しながら、3度目の海外視察も計画している。今回のキリンチャレンジ杯ではアジア杯から13人入れ替え、23人中22人を先発で起用した。「選手にチャレンジしろと言っているから、私も可能性を見せてくれる選手には使ってあげるチャレンジをしていきたい」。久保のデビュー戦が、新時代到来を告げる一戦になるかもしれない。【浜本卓也】