日本代表MF久保建英(17=FC東京)が2日、愛知・豊田市内で始動した日本代表での初練習に臨んだ。今夏で東京を退団する見通しとなっており、欧州挑戦を前にして手にしたA代表への挑戦。まずは公式戦デビューを目指し、第1歩を踏み出した。チームは5日にトリニダード・トバゴ戦(豊田ス)、9日にエルサルバドル戦(宮城)に臨む。

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代表の練習着姿になった久保建は笑顔も浮かべながら初日を終えた。1日の大分戦後には「緊張しています」と17歳らしい一面も見せていたが、この日は東京で一緒のDF室屋、浦和DF山中らとジョギングする際には談笑するなど、リラックスした表情も。見学に訪れた約2000人の中には、「久保選手!」と叫ぶ子どもたちも。初選出ながら、期待の高さをうかがわせた。

27人となったメンバーで、背番号は27に決定した。J1では切れ味鋭いドリブルやシュートで出色のプレーを連発しているが、選出直後は「まだポジションを勝ち取るレベルでない」と冷静に自己分析。得点となれば、MF金田喜稔が77年6月15日の韓国戦で記録した19歳119日の最年少ゴールを大幅に更新することになるが、本人は地に足をつけている。

気鋭の17歳の挑戦は、先輩たちにも刺激を与えている。DF長友は、久保建がバルセロナ下部組織に所属していた小学生時代に国内でともにトレーニングをした経験がある。幼少期を知るだけに「あれだけ期待されながら(力を)伸ばすのは簡単でない。フィジカルもメンタルも能力も尊敬。速度も斜め上と言わず、真上に上がるくらい成長してほしい」と期待を寄せた。

躍進の原動力となった東京を今夏で退団し、欧州へ移籍する見通しとなっている久保。キリンチャレンジ杯で出場機会を得れば、そこでのプレーがさらに自身の可能性を広げることにつながる。17年には東京でともにルヴァン杯を戦ったMF中島は「当時からうまかった。今まではなかったようなサッカーを見せられれば」と笑顔で共演を楽しみにした。頼もしい先輩たちに囲まれて、久保建の日本代表ストーリーが幕を開けた。【岡崎悠利】