日本代表に初選出されたMF久保建英(FC東京)が4日、18歳の誕生日を迎えた。今夏で東京を退団し、欧州移籍を見据える中、今は日本代表でのプレーだけに集中する気持ちを口にした。気鋭の若武者が加わった日本代表は今日5日、キリンチャレンジ杯トリニダード・トバゴ戦(愛知・豊田スタジアム)に臨む。4日は豊田市内で非公開練習を行った。

初めてA代表に合流して3日目。初めて取材に対応した久保は「強度が高いし、動きが速い。やっていて楽しい」と、刺激の強さを口にした。また「前の選手は味方が空いていても、少し強引にでもゴールを狙っている。海外ってこうなんだなと」と、攻撃陣の一員として貪欲さも学んだ様子だった。公開された練習の冒頭約15分間では笑顔も見せながら、FW大迫勇らとボール回しなどで体を動かした。

この日で18歳の誕生日。チームの先輩たちからも、多くの祝福の言葉をもらった。「こういう場所で迎えられるのはうれしい」と、飾り気なく話した。練習の前にはDF槙野から、夕食の際に“お祝い”の一発芸を披露するよう言われ「用意しています!」と二つ返事。以前には断った若手選手もいた中で、肝っ玉が据わったところもうかがわせた。

日本では22年4月から、成人年齢が20歳から18歳に引き下げられる。ただサッカー界では、18歳はすでに“大人”と判断される年齢だ。海外移籍に関する制約に縛られることもなくなり、これで自由に挑戦できるようになった。そんな久保に対してすでにスペイン1部レアル・マドリードやプレミア王者マンチェスター・シティーが獲得へ本格的に動くなど、空前の獲得競争が始まっている。久保本人も「18歳は若くない」とさらり。「試合に出る人は出ているし、22、23歳になって(何かが)約束されていることもない」と、向上心は不変だ。

日本代表の史上最年少得点記録はMF金田喜稔の19歳119日。最年少記録の更新を期待されるが、久保は「記録のためにサッカーをやっているわけではない」と言い切り、ベンチ入りを目指す挑戦者の立場である意識を強調した。キリンチャレンジ杯2試合後には南米選手権も控える。「2つの活動に集中したい。チャンスがあれば頑張るだけ」と話す18歳が、日本代表としての初戦に向かう。【岡崎悠利】

▼日本代表の国際Aマッチ年少記録 最年少出場記録は、市川大祐が98年4月1日の韓国戦で記録した17歳322日。久保は5日のトリニダード・トバゴ戦に出場すれば、18歳1日で歴代2位。ゴールを決めれば、金田喜稔が77年6月15日の韓国戦でマークした19歳119日の最年少得点記録を大幅に更新する。