北海道コンサドーレ札幌FW鈴木武蔵(25)が日本代表に選出された。日本サッカー協会は30日、キリンチャレンジ杯パラグアイ戦(9月5日、カシマ)、W杯カタール大会アジア2次予選ミャンマー戦(兼アジア杯、同10日、ヤンゴン)に臨む日本代表を発表。3度目選出(前回は辞退)の鈴木は、クラブから初のW杯予選メンバー入りとなった。3年後のあこがれの大舞台へつながる戦いを前に、31日神戸戦(ノエスタ)で勢いをつける。

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鈴木が日本代表に名を連ねた。3月のキリンチャレンジ杯で初めて代表入りを果たしてデビュー。6月の同杯にも続けて招集されたが、直前の広島戦で右内転筋を痛め辞退していた。GK川島やDF長友、吉田らW杯経験者含む23人のメンバーのうち、Jリーグからは4人で、鈴木の代表戦出場試合数2は最少タイ。「前回辞退してしまったので、ここでしっかりアピールして代表に定着できる存在になりたい」と意気込む。

自身初の公式戦となるW杯アジア2次予選は「すごく楽しみ」と特別な思いもあるが、「やらなきゃいけないことは変わらない。自分のベストパフォーマンスでしっかり臨むということが大事」と、気持ちを引き締める。もちろん狙っているのは、本番のピッチだからだ。「最終的にW杯の本戦に出られるように、この予選からしっかり自分の特長を出して、結果を残していきたい。ゴールを決めたい」と、目標に代表初ゴールを掲げた。

クラブにとっては99年南米選手権に出場したFW吉原宏太以来のA代表、そして初のW杯予選メンバー入りとして期待が集まる。送り出すミハイロ・ペトロビッチ監督(61)は「代表選手を我々のクラブから送り出しているというのは、いかにこの札幌というクラブがいい仕事をしているかの表れ」と喜ぶ。鈴木も「チームあっての自分。チームでの活躍が評価されて選ばれたと思う。札幌、北海道を背負ってやっていきたい」と受け止めている。

そんなクラブへの感謝の思いを勝利という結果に変え、代表の仕事に臨みたい。30日、札幌・宮の沢での神戸戦前日練習では、セットプレー練習中に接触によって口内を負傷するアクシデントに襲われた。大事を取って練習は早めに切り上げたが「大丈夫です」と、出血を抑えながらOKサインを出した。「いつも通り自分たちの攻撃をしっかり出して、点を取って勝って代表に行きたい」。気合をみなぎらせ、最高の試合を思い描く。【保坂果那】