【バンコク(タイ)13日=杉山理紗】U-23アジア選手権で日本は、シリアとの第2戦を1-2で落とし、史上初の1次リーグ敗退という屈辱を喫した。

前半に失点し、MF相馬勇紀(22=名古屋グランパス)のゴールで同点として折り返したが、またしても終了間際にカウンターから勝ち越しゴールを許した。東京オリンピック(五輪)予選を兼ねた大会は、目標の金メダルに不安を残す結果となった。

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若いチームはまとまりきれなかった。互いを鼓舞し合う声も少なく、ピッチ内での修正も効かなかった。森保監督は「相手を仕留めるチャンスを作りながら、(初戦と)形は違うが終了間際に失点するという部分。若い選手たちはこの2試合を通して、勝負の肝を学んだと思う」と話し、「私自身が一番の力不足、自分の責任」と繰り返した。

初戦の反省を生かすこともできなかった。DF岡崎は「チームとしても、おのおのの反省も足りなかった。しっかりと全員で受け止めて考えられたかといったら、そうではなかったと思う」と、選手間の温度差を明かした。意地の1点を決めたMF相馬も「どれだけ戦えるかの部分で相手より劣っていた」と唇をかんだ。「生半可な気持ち」という言葉を使った選手もいた。五輪出場権を持つ日本にとっては“優勝”以外にモチベーションが定まりきらない大会だった。

15日の第3戦では、敗れたら1次リーグ敗退が決まる背水のカタールと対戦する。本気のアジアとの対戦を無駄にはできない。中2日と準備期間は短いが、指揮官にはメンタル、フィジカル両面でのチームの立て直しが求められる。

○…主将のGK小島が、1次リーグ敗退を受けて選手ミーティングを開いたと明かした。詳しい内容は言えないというが「残り1試合あるのでそこに向けて全員で準備する。下を向いていてもしょうがないので、今後に向けてどうしていかなきゃいけないかを話しました」。小島は取材を受けた後、疲労のため練習には参加せず、シリア戦の先発メンバーと小島以外の11人でトレーニングした。