サッカーU-16日本代表候補合宿(19日~23日、千葉・JFA夢フィールド)で22日、同日本代表は鹿島アントラーズユース、柏レイソルユースとそれぞれ練習試合を行った。

代表チームのみならず、対戦相手も試合前に新型コロナウイルスの検査を行うなど、感染拡大防止に厳重な注意を払っての実施となった。雷で一時試合が中断されるなどのアクシデントもあったが、森山佳郎監督は「最後までできたことが良かった」と、久しぶりの対外試合を終えてほっと胸をなで下ろした。

7月に約半年ぶりの同世代代表合宿が行われたが、予定していた対外試合は新型コロナウイルスの影響で実施できなかった。21年のU-17W杯ペルー大会の予選を兼ねた、U-16アジア選手権(11月27日初戦、バーレーン)を控えるチームにとって、この日は貴重な実戦の機会となった。

それぞれ40分×2本を行い、鹿島とは2-2、柏とは1-1で引き分けた。森山監督は「前日までの紅白戦では、15分×2本で5点入った」と話し、「昨日、おとといと、付け焼き刃のようにトレーニングした守備が思ったより機能した。体を張って5点、6点は防いだ」と、短期間で落とし込んだ守備面の成長に目を見張った。

合宿の合言葉は「最終予選は俺に任せろ」。11月の大会で主役になれる存在を求めたものだが、指揮官は「いろんなやつが名乗りを上げてくれたと思う」と及第点を与えた。

それでも、高校1年生が中心となるU-16代表では所属チームで主力として活躍する選手が少なく、ゲーム体力の面などで課題もあるという。森山監督は「今回60分で足が止まったことをそれぞれが受け止めて、ゲームは90分だよ、(アジア選手権では)中2日で6試合続くよ、というのは宿題。課題もあるけれど、かなりやっていない中では、林の中からちょろっと木漏れ日が見えた感じ」と、課題と成果の両面を手にしたようだった。【杉山理紗】