東京オリンピックのサッカー男子日本代表が来年3月下旬、国内に南米と欧州の強豪を招いて強化のための国際親善試合を計画していることが13日、分かった。A代表のW杯カタール大会のアジア2次予選と日程が重なるため、横内昭展監督(52)が指揮を執る。東京五輪メンバー決定前、最後の実戦となるとみられ、年齢制限外のオーバーエージ(OA)枠を含み、登録18人という狭き門をクリアして自国の五輪メンバー入りへ、最大のアピールの場となる。

   ◇   ◇   ◇

1年延期となった東京五輪イヤー初戦は、ビッグマッチを用意する。日本協会が王国ブラジル、南米の雄アルゼンチンとの強化試合実現に向け、交渉していることが判明した。来年3月22~30日に予定している五輪代表の国内での活動期間中に、国際親善試合2試合を予定。両国と交渉が成立した場合はこの2チームと対戦する。1チームしか交渉がまとまらなかった場合にはスペイン、フランス、ルーマニア、ドイツの欧州予選を勝ち抜いたチームとも交渉する予定で、既に水面下で調査に入った。

日本協会の関係者は「来年3月は基本的には国内で実施する予定。コロナ禍で国内が難しいと判断した場合、今回のA代表のように欧州で合宿地を探すことになる。東京五輪直前合宿を除けば、最後に集まるチャンスだし、五輪メンバー選考のために、どんな形でも実現したい」と話した。

東京五輪の登録メンバーは18人。現在、その候補、大枠は50人程度だという。所属クラブでの活躍が選考の重要な要素となるが、直接集めて動きをチェックし、チームコンセプトに合う選手を選ぶため、3月の2試合が重要な機会となる。サバイバル合宿になり、本番で指揮を執る森保監督が掲げる金メダルに向け、無理してでも強豪との対戦を組む必要がある。

新型コロナウイルス感染症の影響で、欧州で合宿することも視野に入れているが、最優先は国内での合宿。その理由を、日本協会の別の関係者は「東京五輪開催を日本国民と世界へアピールできる。予行演習にもなる」と話す。最強の相手と、メンバー生き残りをかけた、厳しい戦い-。メンバー選考の最終局面で、最高の舞台を整えて、自国開催の五輪に向け、同世代の代表チームが強敵を迎え撃つ。