名古屋グランパスMF稲垣祥(29)が、一発回答で初の日本代表に追加招集された。

後半14分、左コーナーキックを起点にふわりとしたボールが迫ってきた。落ち際に狙いを定めると、ペナルティーアーク付近から右足を一振り。スピードに乗ったシュートをゴール左下にたたき込み「大好物のボールでしたね」と笑った。チーム初の開幕6連勝に「攻撃陣が守備でも貢献してくれて、そういうのが積み重なった結果。前線の選手にも感謝したい。前線の頑張りが助かっています」と仲間の奮闘をたたえた。

今季は全6試合にフル出場。東京の名門である帝京高から日体大へ進み、プロでは甲府や広島でプレーした。名古屋には昨季加入。必要不可欠なボランチとして、攻守のかじ取り役を担う。チームは5試合連続無失点と安定し、そのうち4試合が1-0での完封だった。0-0で試合が進んでも「嫌な感じはなかった。チャンスはどこかでくる。そこを今回決められて良かった」。確かな自信が心のゆとりにつながっている。

試合後、日本代表への追加招集が発表になった。

稲垣は「ミドルシュートの興奮冷めやまぬまま、代表選出で大変うれしく思います。今まで世代別代表にも入ったことがなかった僕ですが、精いっぱい頑張ってきます」とコメントした。

今後は代表活動期間に入り、次節は4月3日東京戦(豊田ス)。中2日もこなした序盤戦を終え、1試合多く消化する首位川崎Fと勝ち点1差の2位につけた。

「まずはボランチとしてタスクをしっかりとこなしたい。守備も、攻撃も、まだまだ積み重ねないといけない点がある。全体的にレベルアップして、強いチームになりたい」

代表で成長し、11年ぶりのJ1制覇へ-。突き進む。【松本航】